白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

SGW杯本戦3回戦

2018年12月22日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
将棋の羽生さんがついに無冠になりましたね。
羽生さんほど飛び抜けた人でも、いつかは必ずトップから降りていきます。
勝負の世界は厳しいものです。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日も第1回SGW杯中庸戦を振り返りたいと思います。

2日目は公開対局で行われました。
囲碁ファンが間近でプロの対局を見られるということで、素晴らしい試みだと思います。
集中力が乱れるという声もあるかもしれませんが、観戦者がいて碁のレベルが落ちるようではいけませんからね。
流石に賑やかにされると困りますが、皆様の観戦マナーが良かったようで、全く気になりませんでした。

ただ1つ思ったことは、むしろ1日目こそ公開して欲しいということですね。
2日目は大盤解説会が開かましたが、解説者が趙治勲名誉名人・・・。
皆様がどちらに行くか、言うまでもありません(笑)。
私が4局目を打っている最中に解説会が終わったようで、そのあたりから急に人の気配が増えた気がしました。

さて、それでは3局目の対局を振り返っていきましょう。
相手は王唯任五段です。



1図(テーマ図)
私の黒番です。
下辺白模様に侵入していきましたが、左右に白の厚みが控えているため、早く生きてしまいたいところです。
ただ、黒AやBではスペースが足りないので、実戦は・・・。





2図(実戦)
黒△とツケました。
次に黒A、B、Cなどの手段をみて、これが筋に当たります。
これは常識・・・と言いたいところですが、知らない方も多いのではないでしょうか?
定石を正しく使いこなすには、後の代表的な手段を知っておくことが大切です。





3図(変化図)
白1と押さえれば、黒2と切り違えるのが手筋です。
黒6までと突破しては白バラバラになり、この碁は終わりです。





4図(実戦)
ということで白1と押さえましたが、それなら黒2と引いておき、黒Aの出が残ります。
白は厳しく攻めることができず、黒8までと生きることができました。
黒優勢です。





5図(実戦)
その後もまずまず順調に打ち進め、この場面では勝利目前です。
ところが・・・。





6図(実戦)
なぜか左辺が白地に・・・。
我ながら全く意味が分かりません。
流石にこうなっては逆転ムードで、最後に残ったのは運がよかったとしか言えません。
ともあれ、なんとか1勝できて良かったです。
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