白石勇一の囲碁日記

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Master対棋士 第25局

2017年03月03日 23時59分59秒 | Master対棋士シリーズ(完結)
皆様こんばんは。
本日はMasterと朴廷桓九段の4回目の対局をご紹介します。



1図(実戦)
白1の肩ツキと同様、黒△と構えた所に白3とツケて行くのもMaster得意の手法です。
黒の堅い構えをさらに固め、重複させる狙いです。





2図(変化図)
黒1と受ければ白2と打ち、Aのコウ仕掛けとBのスベリを見合いにして軽く捌く予定でしょう。





3図(実戦)
受けるのでは白の思惑通りになるとみて、実戦は黒1から反撃しました。





4図(実戦)
黒4までと対応し、白は隅で生きる事はできません。





5図(実戦)
そこで白1から、外側の黒を追及します。
これには黒10までが朴九段の読み筋で、黒AとBが見合いで凌げています。





6図(実戦)
白1と引き上げるしかなく、黒2と渡る事ができました。
白はただ取られただけのようにも見えますが、黒地を隅と辺に限定した意味があります。
Aの傷も残っており、これで白十分とみているのでしょう。





7図(実戦)
ところで、Masterのヨセは不可解な事が多いですね。
この碁でもそんな場面が表れました。

白1とハネましたが黒2と押さえられ、白Aには黒Bと逃げて何でもありません。
黒Cと抜く手が残った分だけ白が損です。





8図(実戦)
黒△の後、白A、黒B、白C、黒D、白Eの進行が一例で、終局となります。
白はかなり損をしましたが、半目残っています。
ところが・・・。





9図(実戦)
白は突如、無意味な手を連発します。
Master先生、ご乱心

AIによくある特徴として、劣勢になると勝負手という名の無意味な手を連発する事があります。
李世ドル九段と対局した時のアルファ碁もそうでした。
しかし、この場面では白の形勢が良いのですが・・・。

これには朴九段も困惑したでしょうね。
朴九段の事ですから計算はできていたでしょうが、計算間違いを疑ったかもしれません。
しかし、この後は途中に無意味な手を挟みつつもヨセに戻り、白の半目勝ちとなりました。

多くのAIには、形勢が良いとヨセで損をする傾向があります。
Masterも同様で、このように結果的には半目差になる事もあります。
マイケル レドモンド九段はこれをサービスと称していましたね(笑)。

しかし、ここで一つの疑問があります。
微細かMasterが少し形勢の悪い状態でヨセに入った場合、どうなるのでしょうか?
この碁を見ている限りでは、ひょっとしたらヨセが弱点の可能性もあるかもしれませんね。
問題は、そこまで追い詰めた人間がいない事ですが・・・。
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