白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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問題

2020年02月07日 23時59分59秒 | 問題集

<本日の一言>
指導碁などの棋譜は、ファイル名に日付と名前を入れて管理しています。
例えば、"20190415山田太郎さん"といったファイル名になります。
ところが、これが2020年になった途端に急にややこしくなり、画面の小さいタブレットPCなどでは結構つらいです。
今月は特にひどく、20200202のような文字列が出てくるので、早く来月にならないかと思っています。



皆様こんばんは。
昨日、日本棋院ネット対局幽玄の間で中継された対局の中に、個人的に注目していたものがありました。

碁会屈指の早打ち大竹英雄名誉碁聖(77)VS碁会屈指の長考派張豊猷八段(38)という、矛と盾の対決です(笑)。
夕方5時ぐらいまで打っていたので、張八段の勝ちでしょうか(?)。

ところで、左辺の黒はちょっと面白い形をしています。
そこで問題にしてみました。


1図(問題図)
白番です。
左辺黒の死活はどうなっているでしょうか?







2図(正解)
まず、白1の飛びが正解です。
黒4の後、白Aの切りは黒Bとコウに粘られてしまいますが・・・。







3図(正解)
白1の置きが手筋です。
黒2と換わってから白3と切れば、コウの粘りが無くなっています。
この後は黒AともBとも打てないので、黒死となりました。



4図(変化図)
ところで、この形は失敗のコースも面白いと思いました。
白1と先に切ると、黒Aと打たれてもコウになってしまうので失敗ですが、他に黒2、4という対応も思い浮かぶところです。
黒Bの眼作りと黒Cからの出切りを見合いにして、一見無条件で生きたように思えますが・・・。






5図(変化図)
白1と押さえる手がありました。
黒8に対して白Aとは打てないので、結局コウになります。
正解は無条件死なので、本題とは関係ありませんが、面白い変化なのでご紹介しました。


プロの対局では、頻繁に水面下での読み合いが行われていますが、ほとんどの図は盤上には現れません。
面白い変化が埋もれてしまうのは勿体ないので、気が付けばご紹介していきたいですね。



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