白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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女流名人戦挑戦者決定戦

2019年01月19日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
本日は葛飾区松上小学校にて、2回目の囲碁授業を行いました。
3ヶ月も間が空いたのでだいぶ忘れてしまったかと思いましたが、復習の後に対局を始めてみると意外に大丈夫でした。
3ヶ月の間に対局をしていた子も結構多かったようで、嬉しかったです。
授業は残り1回ですが、全員が終局までスムーズに進められるようになることを目標にしています。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は女流名人戦挑戦者決定戦をご紹介したいと思います。
女流名人戦の主催は産経新聞ですが、協力の欄にクイーポという名前がありますね。
ハンドバッグなどを販売している会社で、女流棋戦らしいですね。
一般棋戦とはだいぶ文化が違います。

さて、挑戦者決定戦に進出したのは、小山栄美六段と謝依旻六段でした。
小山家と言えば、夫の竜吾六段も棋士、息子の小山空也四段も棋士、竜吾六段の父の鎮男八段も棋士という囲碁一家ですね。
小山六段自身は、女流棋戦での活躍はもちろん、かつて存在したNEC俊英戦という男女混合の若手棋戦で準優勝したこともある実力者です。
杉内雅男九段の絶局の対局相手でもあり、熱戦を繰り広げました。

さて、それでは振り返っていきましょう。
謝依旻六段の黒番です。
なお、棋譜は幽玄の間で中継されました。



1図(実戦)
白△の3間飛びは優雅な雰囲気ですね。
地は気にせず、中央での位を取っています。





2図(変化図)
黒1から3戦を這いつくばってくれば、白8まで中央が真っ白になって白良しです。
白が5線に打った手は理に適っていますね。





3図(実戦)
白△と再度5線に打ったのも面白い手ですね。
この手で白Aと打つのでは、黒Bと簡単に中央に進出されてしまいます。
まるでセンスの無い手と言えるでしょう。





4図(実戦)
白△まで、小山六段らしい堂々とした打ち回しだと思いました。
ただ、この後の左辺の戦いでは何か誤算があったのでしょう。
黒が優位を確立し、逃げ切りとなりました。

謝六段は無冠になりましたが、調子が落ちたわけでもなさそうです。
藤沢里菜女流名人との三番勝負が楽しみですね。
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