白石勇一の囲碁日記

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Master対棋士 第6回(第5局)&棋聖戦封じ手予想

2017年01月22日 18時55分12秒 | Master対棋士シリーズ(完結)
皆様こんばんは。
本日から、棋聖戦挑戦第2局が始まりました!
1日目の流れとしては、まず黒番の河野臨挑戦者が意欲的な打ち回しを見せ、そこを井山裕太棋聖が強襲するという流れでした。
河野九段は手堅く受け流しましたが、井山棋聖がさらに仕掛けた所で1日目終了です。

さて、現在の形勢はどうなっているでしょうか?
私の判断は明日お伝えするとして、皆様がどう判断されているかをお聞きしてみたいと思います。
Twitterで個人的にアンケートを取っておりますので、ぜひご協力ください。
本来は幽玄の間など、公式な所でやると良いと思いますが、とりあえずという事で。

封じ手は右下以外考えられず、遊びの余地は少ないですね。
あまりにも無難な手ですが、右下星の伸びを予想しておきます。

なお、明日も囲碁プレミアム幽玄の間(解説・金秀俊八段)にて中継が行われます。
ぜひご覧ください。

また、幽玄の間ではシリーズの勝敗予想クイズ(本日まで)と封じ手予想クイズも行っています。
ぜひ、こちらからご応募ください。


さて、本日はMaster対於之瑩五段の対局をご紹介します。
於之瑩五段は中国最強の女流棋士です。
どのぐらい強いかと言えば・・・もし打って私が勝ったら、驚かれるぐらいですね。



1図(実戦)
白番の於之瑩五段の白△は、工夫した手です。
この手では白Aの飛びが定石ですが、黒Bに先行された後、下辺にぴったりした後続手段が無い事を嫌いました。

白△に対して、もし黒Cなら左上に先行して白満足できます。
黒Aと押さえても、下辺の幅が狭くなっているからです。





2図(実戦)
黒は手抜きして左上に先行しました。
白も先手を取って12にハネ、黒4子のダメが詰まって不自由な形になっています。
これが前図白△と這った白の主張です。

ここまでの進行と殆ど同じ布石が、Master相手に何局か打たれていました。
この布石なら、チャンスがあると見たものでしょうか?





3図(実戦)
白△と滑った場面です。
ここで私なら、
①黒Aと開いておいて、次にBの打ち込みを狙う
②黒Cのケイマで、左上白にプレッシャーをかける
③左下黒一団を補強する
といった発想が浮かび、どれを選ぼうかという事になります。





4図(実戦)
ところが、実戦は黒1、3!
プレッシャーをかけるというレベルではなく、強引に白を切り離しに行きました。
黒の形が悪くなる、所謂俗筋なのですが、有無を言わせない力強さがあります。
もし白Aなら、黒B、白C、黒Dの分断が厳しいという事でしょう。





5図(実戦)
そこで、実戦は白1とノゾキを打ちました。
これは上手い手で、もし黒が繋いでくれれば、黒Aの厳しさを緩和する事ができます。
悠々と白2と守って良いでしょう。

ところが、構わず黒2と分断して来ました。
白5と切られた形は、いかにも黒が酷いように見えます。
しかし冷静に眺めてみると、Aの所に穴が空いていますし、Bのツケから生きに行く狙いもあります。
黒が取り切られるまでには時間がかかります。

一方、左上の白にはそういった捌きの余地がありません。
黒6まで、こちらの方が苦しいとみているのですね。





6図(実戦)
結局、黒が左上白を取り、白は左下黒を取り込む分かれになりました。
そして、この黒△が見切りの一手です。
遠慮した手のように見えますが、白が黒△を取りに来ればあっさり捨てて、黒Aから上辺を盛り上げて十分とみているのですね。
その進行を私が作ってみた所、確かに黒が盤面10目以上リードしているようでした。





7図(実戦)
という訳で白1と反発しましたが、それなら遠慮なく、と黒2から助けに行きました。
黒16までと全部繋がり、これはこれで黒のリードがはっきりしています。
この後40手で投了に追い込まれてしまいました。

本局は人間が感覚的に避けたくなる手も平気で選べる、AIの強みが出ましたね。
また、形勢判断の確かさも示しました。

次回の対局者は中国の喬智健四段です。
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