白石勇一の囲碁日記

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Master対棋士 第11局

2017年02月02日 23時59分59秒 | Master対棋士シリーズ(完結)
皆様こんばんは。
本日はMasterと陳浩四段(中国)の対局をご紹介します。



1図(実戦白8~黒17)
右上白1のカケは、Master得意の手ですね。
このカケが打てれば有利と見ている可能性すらあります。
黒8までと黒地を10目ほど作らせる事になりましたが、それよりも白の将来性を重視しています。

そして、黒10のスベリに対して・・・。





2図(実戦白18)
白1は、これまたMaster得意の手です。
黒Aには白B、黒C、白D、黒E、白Fと強引に押さえ付けるつもりでしょう。
そのような進行は、これまでに何度も現れましたね。





3図(実戦黒19~黒29)
実戦は黒1と変化し、黒7までの分かれになりました。
石の形だけで言えば、白△の位置が中途半端であり、白が甘いように見えます。
しかし、全局的には白石が良い所にあり、十分打てるという事でしょう。

そして、黒11の小ゲイマ締まりを見て、またしてもMaster得意の手が飛び出します。
これまで当ブログをご覧頂いている方には、ピンと来るかもしれませんね。





4図(実戦白30~黒33)
出ました、白1の肩ツキ!
この場合、黒石を圧迫しながら、左下一帯の白模様を広げる打ち方です。

ならばと、黒も4と肩ツキのお返し!
この肩ツキは、白模様を消す目的があります。





5図(変化図)
ここで、例えば白1~7は1つの定型ですが、局面に全くマッチしていません。
黒10までとなると、白模様がすっかり消えてしまい、白△が攻められる可能性すら出て来ます。





6図(実戦白34~白52)
肩ツキに対して白△を動かず、白1、3としたのが臨機応変な対応です。
白△を助けるよりも、大事な左下一帯の白模様を守る事を優先しました。
黒16までとなって、黒地はいくらか増えていますが、沢山手をかけた割には効率が悪過ぎます。
白19まで、明らかに白のリードが認められます。





7図(実戦黒53~白56)
1の所に打たれると右下黒が心配になるので、黒1は止むを得ません。
しかし、白4となっては白模様が巨大になりました。
全体を見渡してみると、大半の白石が模様拡大の役に立っており、生き生きとしている事が感じられるでしょう。

本局は、部分に拘り過ぎる事の弊害を、よく表している1局だと思います。
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