白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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Master対棋士 衝撃度ランキング

2017年05月22日 23時19分02秒 | AI囲碁全般
皆様こんばんは。
明日は第72期本因坊戦第2局が行われます。
勢いに乗る本因坊文裕が連勝を果たすか、本木克弥挑戦者が番碁初勝利を挙げるか?
七番勝負の行方を占う上でも、重要な1局ですね。

また、明日からはついに柯潔九段がAlphaGo(Master)と対決します!
1年前に李世ドル九段と対局した時とは、比べ物にならない強さに到達している筈のAlphaGo・・・。
柯潔九段は、人類代表として一矢報いることができるのでしょうか?
こちらも大変注目の戦いです。

ところで、私はここまでMaster対棋士の60番碁を、第39局までご紹介して来ました。
良い機会ですから、その中で私が印象に残った5つの打ち方をランキング形式で振り返ってみたいと思います。



第5位・筋悪攻撃!
棋士なら見向きもしないような筋の悪い手を、Masterは平然と繰り出しました。
これで上手く行くはずがない、というのが棋士の感覚です。
しかし、Masterはそういった常識を次々と破壊して行きました。
この打ち方は第5局で現れました。





第4位・いきなりのツケ!
大ゲイマは足が早い代わりに薄いシマリであり、無暗に固めてはいけないというのが常識でした。
しかし、こんな早い段階でのツケ・・・。
それも滅多にないような位置です。
思いもよらない発想と言えるでしょう。
この手は第10局で現れました。





第3位・肩ツキ連打!
こんなに早い段階で肩ツキを連打するなんて・・・。
これまでの常識では考えられない打ち方でした。
第2局をはじめとして、肩ツキは多くの対局で現れました。





第2位・本因坊道策・現代に蘇る!?
白1とわざわざ狭い所に入り、白3、5の派手なサバキ!
史上最強と名高い、本因坊道策を思わせる着想でした。
この打ち方は第22局で初出しました。





第1位・いきなりの三々入り!
皆様の予想通りだと思います(笑)。
私が24年間で培って来た囲碁観をひっくり返そうとするかのような、信じられない一手でした。
この手は認めたくないものです。
第23局で初出しました。

明日からの勝負では、こういった打ち方が表れるかどうかにも注目ですね。