白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

GLOBIS-AQZ対仲邑菫

2019年07月10日 23時59分59秒 | AI囲碁全般

<本日の一言>
昨日は更新をお休みしました。
ストックを作っておく手もあるのですが・・・。
今はむしろ、仕事のためのストックが必要ですね。


皆様こんばんは。
本日は「GLOBIS-AQZ」と仲邑菫初段の対局の感想を述べたいと思います。
この対局はなんとAbemaTVでも中継されました。

1図(実戦)
GLOBIS-AQZの黒番です。
仕事が一段落して、AbemaTVを開いたらこの場面でした。
白が少し甘いかもしれないがこれからの碁、というのが第一印象でした。

ただ、この直後に白に違和感のある手が出て、形勢を損じた気がします。
そして、本局のハイライトはなんと言っても次の場面でしょう。



2図(実戦)
黒1、3!
これは一体何なんでしょうね?
黒1、黒Aや、黒3、黒Bという2手なら分かります。
黒△を拠点に、石が→→と真っ直ぐ流れていきますからね。
しかし、→↓と進んでいるこの2手は、どこを目指しているのかさっぱり見えません。

違和感は凄まじいですが、考えれば考えるほど良い手のような気がしてくるのです。
人間は絶対打ちそうもありませんが、これがAIの強みでしょうか・・・。



3図(実戦)
この後、白△と突き出した時はひょっとしたらと思いました。
もし白×が凌げれば逆転もあり得ます。



4図(実戦)
この場面も、黒×が危険になっていて、黒は危ない橋を渡っているようにも見えました。
人間が黒を持っていれば、生きた心地がしないでしょう。
しかし、実際のところ評価値は黒優勢のまま、あまり動いていないのです。
手どころの力も相当なレベルにあることを感じさせられました。


本局、仲邑初段は序盤の劣勢が響き、苦戦を強いられました。
しかし、中盤の頑張りには素晴らしいものがあったと思います。
やはり力は私より強そうです。
ただ、相手が悪かったですね・・・。
トッププロでもどうかというレベルではないでしょうか?

強化学習7時間ということで、ちょっと甘く見ていましたが、グロービスの堀さんによると既に50万局の経験を積んでいるとか・・・。
ちなみに、私にも碁を打ちまくっていていた時期がありましたが、それでも年間で2000局ぐらいのものだったと思います。
そのペースを50年続けたとして、10万局ですからね。
人生やり直しても勝てません。

そして、芝野虎丸七段と対局するのは強化学習5日目バージョン・・・。
さらにとんでもない強さになっていることだけは間違いありません。
どんな戦いになるのか、注目したいと思います。

 


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