白石勇一の囲碁日記

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Master対棋士 第24局&封じ手予想

2017年03月01日 23時29分26秒 | Master対棋士シリーズ(完結)
皆様こんばんは。
本日は2つのタイトル戦が行われました。
1つは第41期棋聖戦(主催:読売新聞社)第5局の1日目です。
2勝2敗で迎えてどちらが王手をかけるのか、天王山の一戦ですね。

碁の方は井山裕太棋聖が、Masterの打ち出した手を試すなど積極的に立ち回り、河野臨九段が受けて立つ流れになりました。
封じ手は、中央の黒2子を逃げる曲がりを予想します。
封じ手直前に河野九段が最強手で仕掛けたため、明日は激しい戦いになるでしょう。

そしてもう1つは、第29期女流名人戦(主催:産経新聞社)第1局です。
現在女流タイトル争いはこんな状況です。
謝女流名人一強と言えますが、昨年藤沢里菜三段女流本因坊を奪われています。
この女流名人位も取られるような事にでもなれば、第一人者の座も揺らぐでしょう。

第1局は謝女流名人の必死の思いが表れたかのような、激しい仕掛けが多く見られました。
藤沢挑戦者も正面から受けて立ち、派手な戦いになりました。
結果は藤沢挑戦者が勝ちましたが、シリーズの行方はまだまだ分かりません。
2局目以降も注目ですね。

なお、どちらの対局も幽玄の間で中継されました。
ぜひご覧ください。


さて、本日はMasterと朴廷桓九段(韓国)の3回目の対局をご紹介します。
ちなみに、昨日ご紹介した23局目の対局者は金志錫九段と書きましたが、実際は金庭賢六段の可能性が高いとの事です。
ネット対局だとこういう事も起こります。





1図(テーマ図)
第6局とよく似た布石です。
碁盤の向きは変わっていますが、この碁で言うと下辺が全く同じで、上辺の配置が少し違うだけです。
朴九段も当然知っていたでしょう。
黒2、4はMasterの碁によく出て来る形で・・・。





2図(変化図)
白1と受ければ、白5までの進行が想定されます。
Masterの事ですから、この後黒Aなどの大場に先行するのでしょう。
右上黒に厳しい攻めは無いと見ています。





3図(実戦)
実戦は白1と反発し、黒も繋がずに黒2と突き出しました。
ここで白Aとかわして打ったのが第6局ですが、朴九段は白3、5と渡って頑張りました。
こうなると黒4と愚形に繋がされた黒としては、黒6と切らないと顔が立たないので・・・。





4図(実戦)
白1を一本打って生きを確保してから白3と当て、後はほぼ一本道ですね。
白15となって、右辺黒は生きました。





5図(実戦)
黒1と打って白2と手を入れさせたのは気分が良いですが、白6に黒7、9と打たされたのもつらく、この交換は五分ですね。
さて、この分かれ自体をどう見るかですが、まずは右辺黒が2線を6本も這っている事が気になります。
代わりに白が勢力を築いているので、ぱっと見では白が良く感じる棋士が多いでしょう。

ただ、話はそう単純ではありません。
白△が黒の強い石に近寄り過ぎていますし・・・。





6図(実戦)
この後白1の打ち込みは、右辺にできた勢力を活かし、黒△を攻める狙いでしょう。
ここで黒△を逃げずに、黒2、6と打った手に注目です。
一見ソッポに向かっているように見えますが、実は右辺白を狙っているのです。

この白は勢力ではありますが眼が無いので、Masterは厚みと認める気が無いようです。
それどころか弱い石として、攻めに行っています。
この発想は、まるで趙治勲名誉名人のようですね。
最終的には、右辺白は2眼で生きる羽目になりました。
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