囲碁の果樹園(囲碁の木がすくすく育つユートピアを目指して)

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2間高バサミ(1)

2018-04-15 06:50:40 | 実験

今回から、小目への小ゲイマ掛かりに対する2間高バサミを検討していきます。アルファ碁の打ち出した手法で大きく変わりつつある定石分野のひとつです。いつも通り、みんなの碁盤上で、AlphaGo Teach(AGT)と天頂の囲碁7(天頂7)の助けを借りながら検討しています。強力なツールのおかげで、意味のある検討ができていると思います。もちろん、素人故のとんでもない勘違いはあるでしょうが、ひとりひとりが間違ってもみんなの力で徐々に正しい局面評価に近づいていくというのがみんなの碁盤の趣旨なので、気が楽です。

さて、図1、白1の2間高バサミです。AGTには、この2間高バサミががいくつもの局面で現れます。AGTは小ゲイマ掛かりに対するF16のケイマ受けを黒47.0パーセントと白の応手として最も高く評価していますが、この配置では白1のハサミも黒47.2パーセントでほとんど最善と評価しています。ところが、下辺の黒石と白石が入れ替わった配置では、ケイマ受けが黒46.8パーセント、2間高バサミが黒49.1パーセントとだいぶ差があります。この辺は、相手の勢力圏では急な戦いを避けるのが賢明という従来の考え方と一致しているようです。

2間高バサミに対するAGTの応手は、すべての局面を調べたわけではないですが、手抜きが一番多く、すぐに応じる場合は黒2のカケが多く、次に多いのがF15の2間トビのようです。ただし、どの局面ではカケでどの局面では2間トビかという違いはAGTの判断ではなく、評価対象とした棋譜セットで決まっているのかもしれません。

さて、カケに対しては、見た範囲の局面ではすべて図1のように白は出切っています。定石では図2の黒1が手筋で以下黒5までと穏やかに分かれますが、AGTはこの図を極端に低く評価します。白4の時点で黒39.5パーセント、黒5は候補手にはいってもいません。一方、天頂7は黒5までの別れは黒50パーセントで互角と評価します。どちらの評価が真理に近いのか、みんなの碁盤における長期検討テーマのひとつとしたいところです。図3の黒1オサエがAGTの推奨手で、白2から4は当然のハネツギです。この時点でいかにも黒が無理そうに見えるため、従来は打たれませんでした。例えば、図4の黒5と形につけば、白6のノビで黒2子がいかにも苦しそうです。

この形は、図5のように隅の攻防になったときに白2のキリが打ちやすいのがポイントのようです。白4の後、こちらの処理で黒が後手をひくと隅の黒が危なくなりますし、また先手で切り上げる適切な手段も見当たりません。AGTは、図6の黒1とアテてから黒3の受けです。これがまた、いかにも無理そうで従来の盲点でした。同図白2を打たせてから黒3としたことの非を直接咎めようとするならば、図7のように白1を一本打ってから白3から5の出切りでしょう。黒ピンチに見えます。

黒は、図8の黒1から2線をハウしかありません。2線をハウのでは悪いというのが先入観であったようです。黒も隅の白を取っても悪くなる場合があるので注意が必要です。途中黒9のコスミを一本利かし、黒13までハッてはっきり活きれば、白も隅を活きるよりなく、例えば同図の黒17となれば、天頂7も黒56パーセントと黒持ちの評価です。

図3黒1の強引なオサエと図6黒1の俗なアテは、どちらも天頂7にとっては意外な手段であるらしく、候補手5手のなかにはいっていません。しかし、その手を着手してから改めて判断を問うと、互角以上に戦えると答えてくれます。AGTの示してくれない「何故」を探求する上で、天頂7は強力な道具です。

図6を見直したとき、黒1と白2の交換が、図5の白2のキリを打ちにくくしている効果があることに気がつきす。これは、いわば後づけの理屈ですが、黒が戦えるひとつの理由にはなっているように思います。次回は、図6の後の他の変化を調べます。

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