これもネット碁に現れた形です。図1の右下で白1のハネから白3とキリコミました。右図の前回取り上げた形と似た趣旨で、一子を犠牲に右辺を止めてしまおうという手です。(右図は前回と手順が違っていますが、この手順も自然です。)
こんな意外な手からも、調べてみると実に多くの変化があり、天頂の囲碁7がほぼ互角とする形(黒から48パーセント~52パーセント)がたくさん現れるのに驚きます。
今回の形では、図2の黒1と素直に取っているのもあるようです。右図の白1がなかなか利かないのがポイントです。次に白3と打ってもまだ劫です。
図3Aの黒1とノビル変化が面白い。同図Bのように白がキリコンだ石を捨ててくれば黒も満足です。同図Cの白2から最強にくるのはシチョウの良し悪しが関係します。
図1の局面では、黒シチョウが良いので、図4Aの白1オサエは成立しません。黒2のキリから手順よく黒6まで、白の種石2子がシチョウです。仮に、黒のシチョウが悪いとすると、同図Bのように単に黒4とノビルしかなく、黒8まで一応シボリ形にはなりますが、白良しです。シチョウが悪いならば同図Cの段階で黒4とノビルのが良く、白5の取りならば黒6まで、今度は天頂の囲碁7はわずかに黒乗りです。
図5Aの白1とシボリを拒否すれば、黒2のマガリ、以下黒6までの振り替わりは結構いい勝負のようです。同図B白3とこちらも助けようとするのはどうか。一例として白13までは、黒が打っただけ取られたように見えて、天頂の囲碁7は黒持ち、面白いものです。さて、図4Aに戻って、現実には黒シチョウがよく白1とは打てないので、図5Cの白1と押すしかありません。この後も面白いので次回検討を続けます。