Kayaとののんびり生活 どいちゅらんど 

人生の半分ちかくになったドイツ生活のブログです。

考えさせられる映画。

2019-07-07 | ひとりごと

休暇最終日の日曜の午後、前から見たかったマイケル・ムーアの映画
「華氏119」を見ました。
タイトル「華氏119」の119は、
第45代アメリカ合衆国大統領にドナルド・トランプが決まった2016年11月9日を指します。
そう、まさしく全米と全世界が驚いたあの日です。

あの日を境に、なんだか世界が大きく右向き?に
舵を切ってきたように感じたりしていたのですが・・・

どうやら、話はそんな単純なことではなかったようです。

この映画は、トランプ大統領誕生から始まり、
ミシガン州フリントの水道の汚染水問題・ウエストバージニアの教師たちのストライキ
そして、フロリダの高校で起こった銃乱射事件と
今アメリカの抱えている、さまざまな社会の歪みが描かれていきます。

一見バラバラのようだし、ものすごいスピードで話が進んでいくので
私ようにアメリカのことをあまり知らなかったものはついていくのが大変・・・
(おまけに英語にドイツ語の字幕なので、読むのが付いていけなく、何度も止めたし。)

中でもショッキングなのはフリントの汚染水で、
行政が水道管にも金をかけていなかったため、
老朽化した水道管が腐食し、水道水に高濃度の鉛が混入し、
深刻な健康被害が出ているというもの。


フリントがあるミシガン州の州知事はトランプ氏と同じく、
実業家から政治家に転身した大金持ちのスナイダー氏で、
お金がないということで、水道管整備にお金をかけない・・・

このままどうなる・・・と市民たちの不満が募る中、
民主党オバマ大統領がこの街にやってくる!

州知事ではなく、オバマ大統領なら市民の気持ちを汲んで、
きっと何かしてくれるだろうと期待するのですが、(私もそう思っていた。)
オバマは演説の最中に「喉が渇いたから水を」といって、
ペットボトルではなくわざわざ水道水の入ったコップを持ってこさせる。
そして、「ここの水道水には何の問題もない」とパフォーマンスをする!!!

えええ????
この展開には私も驚いた!!

現実は、トランプ=悪者でそれ以外の人は=善という単純なものではない。
ということが分かった瞬間でもありました。

でも、トランプ大統領の戦略は結構単純で、
わかりやすい敵を仕立て上げ(外国人移民、既存メディア、中国など)
過剰にそして感情的に責め立て、
自分に都合の悪い情報はフェイクニュースだと罵りシャットアウトする。

どこかの国にも似ているな・・・

でも、こういう政治家?を増やしているのって、
有権者の無関心(期待しなくなったから無関心になったということも含めて)
っていうことなんだよな・・・

映画を見た後でも、数日考えさせられた私です。
日本でも、先月末から始まった映画。
「新聞記者」が結構いいみたいなのです。
いつか見てみたい・・・

これからも、色々な情報をしっかり読んで、ちゃんと判断することをしないとな。
こういうことを教えてくれた、昔のドイツ人の同居人に感謝です。
その彼も、このまえ日本の新聞にインタビューが載っていました。
昔は、彼の話を一方的に聞くだけだったのに、
最近は一緒に議論できるようになってきているのは、少し私も成長したってことですかね(笑)