大白法 平成27年7月16日(第913号)
「教学ノート」12ページ
「仏宝」
仏宝とは三宝の1つで、真実の法を悟り衆生を救済する仏様のことを言います。
私たちは仏宝である仏様を信じ、供養して成仏の境界を得ることができます。
ただし、どの仏様でも仏宝としてよいのかというと、そうではありません。
私たちを幸せな境界へと導いてくださる仏様を、仏宝と立て帰依しなければなりません。
今から三千年前にインドに誕生された釈尊は、一九歳で出家し三十歳で悟りを開いて仏となられました。
そして八十歳で亡くなるまでに、多くの教えを説いて衆生を成仏の境界へと導き、
さらに釈尊が亡くなった後の衆生までも救うことができたのです。
この釈尊の教えで成仏できた衆生(この衆生を本已有善と言う)は、
すでに成仏の種子を下されているため、釈尊の教えによって成仏に至ったのです。
ところが末法今日の私たちは、成仏の種子を下されていないため、
新たに下種を必要とする衆生(この衆生を本未有善と言う)なのです。
このため、末法の本未有善の私たちは、釈尊に帰依しても利益はなく、
成仏の種子を下してくださる仏様を信じなければ成仏はできないのです。
よって、釈尊は、上行菩薩というお方に末法の衆生救済を任されました。
その上行菩薩の再誕として鎌倉時代に誕生され、
私たちに成仏の種子を下される仏様が日蓮大聖人様です。
大聖人様は『観心本尊抄』に、
「彼は脱、此は種なり。彼は一品二半、此は但題目の五字なり」(御書六五六㌻)
と、釈尊は本已有善の衆生を成仏させる仏であり、大聖人様は妙法蓮華経の題目の五字によって本未有善の衆生に下種をする仏であると説かれています。
また『秋元御書』には、
「三世十方の仏は必ず妙法蓮華経の五字を種として仏に成り給へり」(御書一四四八㌻)
と、妙法蓮華経の下種を受けた利益によって釈尊を含むすべての仏が成仏したことを明かされています。
末法の今日、本未有善の私たちは、下種の仏様である大聖人様を仏宝と立てて信じ帰依することが大切です。
そして妙法蓮華経の題目を唱え、また他に伝えることで、即身成仏の大利益を得ることができるのです。
🖊ポイント
大聖人様は「開目抄」に、
「日蓮は日本国の諸人に主師父母なり」(御書 五七七ページ)
と説かれています。
私たちは大聖人様を主徳(衆生を守護する徳)・師徳(衆生を教導する徳)・親徳(衆生を慈愛する徳)の
末法下種三徳を兼ね備えられた御本仏であると拝することが大切です。