goo blog サービス終了のお知らせ 

井頭山人のgooブログ

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

「今西錦司と角田忠信」、偉大なる開拓者。2025・3・3

2025年03月07日 09時06分12秒 | 日本文明と文化

 この二人に附いては、もう25年以上も前に、評伝的な文章をAmazonのReviewに書いたが、如何云う訳かAmazonの掲載規則に違反したとかと言う一方的な評定が下り、480冊の著作の評論を削除された。それ故にもうAmazonではReviewを書くことは決して無いだろう。井頭山人のReviewを記憶して居られる方には、もう其処を探しても載ってゐないです。

初めの頃に今西錦司は「人間以前の社会」を研究し、生物の実相を探求した人である。彼は多大な生物の種を越えた背後に実在する生物の規則を慎重に研究した。それは「動物の社会」に始まって「生物の世界」「生物と戦争」「生物社会の開放性と閉鎖性」そして「遊牧論」から「ニホンザル」、「野生馬」と続く本を出している。この著作の他に、彼は登山計画を為し、当時の学士登山隊を組織して、アフガニスタン、カラコルムやイラン奥地、ヒマラヤなどを探検事業の目標とした。この先鋭的な事業は戦後の知事困ってゐた国民にも、未来への道程を見出せ無かった人々にも、大いに活気づけた事業であった。ここで取り上げたいのは小さな本である「人間以前の社会」である。僅か170ページそこそこの岩波新書である。中学を卒業した人間ならば、この本の読めない文字は無い。だが書かれてゐる事は、以前にもどこかで書いたように簡単に理解できると思って貰っては困る。ここに扉に在る文を紹介しよう「社会をつくるのは人間だけではない、トリやケモノには、順位制、テリトリー制、リーダー制、分業制、など、社会的形態を持っている。人はそれが遅れているとか、専制的だとか、色々な理由を付けて見当違いな意見を述べてゐる。だがそれは見当違いにも程があるほどの愚かな見識の基づいている。鳥も獣もその種の継続的生存にの為に社会を創ってゐる。注意して置くが、その社会は人間の社会を下等にしたモノと言う様なものでは無く、人間の思惟や感覚からは計り知れない、独特の論理を持っている。そのことを知らない限り生物の社会を理解は出来ない。

種は、自然のもたらす環境に適応して来た歴史がある。大自然は生物を育てようとしているのかも知れないが、それは未だ事実として確認されてはいないが、生命体はこの大自然の恩恵に浴している事だけは確実に言える事だ。地球環境を例えば大気のように少しづつでは有るが変化をもたらした。現在の大気は20億年前の大気とはまるで異なっている。それは植物の藻類が、永い年月を掛けて大気を変化させてきたことに由来する。海に生える藻類は少しずつ大気を窒素類の全体性から酸素を含んだ混合比に替えて来た、元々の地球微生物は嫌気性で酸素は生存上大敵であったが、微生物はエネルギー発電機であるmitochondriaなどを細胞内に取り込むことで、混合共生する事に依って酸素を有効に使える段階にまで自己変革して来た。その間の生命史は実に多くの事を我々に教えている。今西は気が付いてゐたに違いない、それは生命体の種は互いにつぶし合うのではなく、自然環境の変化に際し、互いに共生をする為に独自性を確保し、大きな自然環境の変化に際してはどちらの種が生存を確保できるかの選択をする為に種は独自に棲み分けをするという事実を。今西はDarwin全盛期のこの時代を超える眼で生物の実相を見ていたと私は思う。彼は生物の思想家、生態学の創始者のひとりで、且つNaturalistで登山家でも在った。大自然の中で普通の人よりも広く深い目で自然を体験できた人である。

そしてもう一人は、生命の中に宇宙の痕跡を発見した角田忠信の物語である。そしてこれまた、脳科学の分野と言語学の世界に「信じられない新分野」を開拓した角田忠信の重大な発見である。角田先生は、聴覚と言う人間の社会性を獲得する上で、最重要な感覚器の不全と言う一種の感覚器疾患から研究を進めた学者である。角田忠信先生のご自分の人生をお書きに成られた文を読んで、小生は感激した。ご自分も結核という肺の疾患で、若くして人生を終えられる覚悟をお持ちであった。ところが養生に努めた先生はこれ以後ご長命を保ったのは、研究への信念と楽しさを満喫していた為だろうし、其の眼の先に見えて居たのは、生命と宇宙のdirectな関連性である。おそらく、あらゆる命は宇宙のリズムとつながっている。この想像の実際の証拠を脳神経系と天体の運行の関連性を発見した。外的世界と内的世界は実に正確につながって居たのである。この様な生命観、宇宙観は、少数の鋭敏な先人たちは気が付いていた。然し、その現実的な証拠を提示できなかった。巨樹は年輪を残す、それは気が生きて来た気候変動を刻んでいて、芽を出し巨樹に育った樹が体験したその地での歴史を物語っている。角田法による実験事実は、人間を始めとした生物の脳が、太陽系のリズムと正確に連動し、その成長と死を刻んでいることを明らかにした。これは途轍もない自然観である。この自然観から我々は根本的なことを学ぶだろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「竪該録」「算俎」をよむ | トップ | 箴言に附いて »

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本文明と文化」カテゴリの最新記事