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板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

このせちがらい世の中で誰よりも自由に生きる

2015-10-02 17:16:48 | 

  勇ましいことばかりが決まり、市井の民にはホンマに世知辛いことばかり。デジタルの出現で個人情報ばかりが叫ばれ、携帯電話の使用マナーには公の存在すら考えられず、どこでもPhoneを持てば、すべては自室の如く。ぼやいてばかりでは仕方なし、生きていくことは変えられない。 書名だけで、「ホンマにそう行きたい!」と叫ぶ私は読んでしまいました、老荘思想の考え方を。

  親会社の出世街道の本筋を歩んでいた主人公のサラリーマンは、次期社長候補だった専務が後継者争いで敗れ、専務派だった彼も子会社へ飛ばされた上に窓際で働く羽目に陥りました。仕事明けに居酒屋で独り飲んでいる彼の前に突如現れた老人は、仕事上の愚痴に耳を傾け、老荘思想を説き始めました。

 人は社会で生きるためには、孔子による論語や孫子の兵法が役に立ちますが、そればかりだと生き苦しさを感じます。もう一つの考え方を持っていると、楽に生きることができます。その思想こそが老荘思想です。

  頑張らない 欲張らない ひけらかさない 押し付けない 戦わない 言わない

など、そんな謙虚ではあかんのんとちゃう?と思いますが、丸く生きていくには、

  自然と一体になり、いまここを為すがままに生きる

のですね。おぎゃと丸く生まれて、四角四面のルールを知って、社会に馴染み、角ばかりで相手にぶつかり、結局、丸に還ってくる。そんな生き方に魅かれますね。

『このせちがらい世の中で誰よりも自由に生きる 自己啓発の到達点「老子」「荘子」の考え』(湯浅邦弘著、宝島社、本体価格1200円)

 

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