世の中、同調圧力に屈する人や忖度が当たり前の中、他人の考えや意見を全く意に介さず、自分の気持ちのままに生活する主人公の三葉雨音を描いています。
学校を卒業後に損保会社のOLをするも、組織内の人間関係の嫌な部分を垣間見て離職。下宿の1階の喫茶店オーナーの霧島がお客さんの声から始めたお見舞い代行業(入院患者のお見舞いや通院の手伝いを家族に代行して行う)に雨音は就きます。その理由は
他人に興味がない
彼女には最適と思われたからです。「やってくれ」と言われたことはやるが、依頼主の期待以上の事はしないし、依頼されてもできないことは無理と正直に言う姿勢を保持しています。彼女を世の中の常識にはめようと、家族を含めて、周りの人々はやっきになりますが、雨音はどこ吹く風です。姉に幼少の頃からの雨音に対する気持ちを打ち明けられても、霧島の生い立ちの秘密を知らされても、雨音は気持ちを動かさず、今の自分を生きています。
昔から、「長いものに巻かれろ」ということは、心理的、精神的には生きやすいかもしれません。しかしながら、自分の色を出してもよくなりつつある現代、独立独歩の道を歩むことの意味を問うている物語です。さて、あなたはどうしますか?