猫研究員の社会観察記

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集団的自衛権、政府解釈の変更も…官房長官

2006-10-05 07:55:51 | 憲法
 塩崎官房長官が、読売新聞などのインタビューに対して、集団的自衛権の限定的行使は憲法に違反しない可能性があるとの方向で政府解釈を変更するための事例研究を示唆した。5日付の紙面から官房長官発言の該当部分を引用すると次の通りである。
 「世界の安全保障状況は変わり、日米の同盟関係がきちんと機能するよう求められている。世界とアジアのための日米同盟を実現するため、本当に、今までの内閣法制局の『集団的自衛権は保持するが行使できない』という解釈がすべての場合に正しいのか、もう一度冷静に議論してみないかということだ。目的は日米同盟がきちんと機能すると言うことだ。今までは似たような状況を個別的自衛権で整理したりしていたが、集団的自衛権の範疇でやっれることは本当にないのか冷静に議論しようということだ。あくまで憲法の枠内の話であり、憲法の精神から外れるようなことをやろうと言っているわけではない。」
 集団的自衛権の問題に関しては、安倍総理も既に総裁選前に「個別具体的な例について、もう少ししっかりと検討、研究すべきだ。我が国や地域の安定、安全、国際社会の貢献に資するなら、研究すべきだ」と述べて、従来の憲法解釈を堅持しつつ研究することの必要性に触れている(『安倍氏「集団的自衛権は個別に可否判断を」』参照)。塩崎官房長官の発言はさらに一歩踏み込んだものと言えよう。集団的自衛権に関する憲法解釈の変更は、このブログで取り上げる内容の中でも最重点項目の一つである。これを訴えることがこのブログの存在意義の一つであるとすら思っている。よって、今回の塩崎官房長官の発言には大いに賛成したいし、是が非でも実現させていただきたいと思う。ただ、私は集団的自衛権の行使は憲法上制約を受けないとするのが憲法解釈としては正しいと思う。個別的自衛権の行使を国家の自然権として明確に認めており、それに集団的自衛権と個別的自衛権を峻別することの困難を加味すればそのような結論にならざるを得ない。自衛権行使の態様は、政策判断に任せる内容である。それを条件付けるのはあくまで国益であり、そのためには、安全保障基本法のようなものの制定が不可欠である。
 とはいえ、安倍内閣の取り組みがきわめて重要な一歩となりうることは間違いない。とりわけ「憲法改正して集団的自衛権行使を可能にすべし」という論が多い中で、「憲法改正以前に解釈変更を検討せよ」という正しい方向性が示唆されたことは実に有意義である。日米同盟の信頼性担保のためには集団的自衛権行使は当然のことであり、我が国の国益に他ならないのだ。



(参考記事)
[集団的自衛権、政府解釈の変更も…官房長官]
 塩崎官房長官は4日、読売新聞などのインタビューに答え、安倍首相が所信表明演説に盛り込んだ集団的自衛権行使の事例研究に関し、「今までは似た状況を個別的自衛権で整理してきたが、集団的自衛権の範疇(ちゅう)でやれることは本当にないのか、冷静に議論しようということだ」と述べた。
 現在の政府解釈では、「集団的自衛権を保持しているが、行使できない」としている。塩崎長官の発言は、行使できる事例を限定しながらも、従来の政府解釈を変更することを視野に入れたものだ。
 安倍首相はこれまで、集団的自衛権の行使にあたるとされた事例のうち、個別的自衛権に該当するものがないか研究する、としてきた。しかし、塩崎長官は「世界の安全保障状況は変わり、日米同盟関係がきちんと機能するよう求められている。今までの内閣法制局の(集団的自衛権の)解釈がすべての場合に正しいのか、もう一度冷静に議論しようということだ」と説明した。
 公明党は集団的自衛権に関する事例研究は容認しているが、集団的自衛権の行使そのものは認められないと強く主張している。
(2006年10月4日21時28分 読売新聞)
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2 コメント

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自衛権 (PJ)
2006-10-05 09:55:41
>個別的自衛権の行使を国家の自然権として明確に認めており

今の世の中では、どんな国も1国で自衛するのは無理だと聞いています。

だとすれば少なくとも同盟国との間ではお互いに守れるようにするのは当然なんじゃないでしょうか。

>「憲法改正以前に解釈変更を検討せよ」

憲法改正には、まだまだ時間がかかりそうですよね。

北朝鮮とか、台湾とか、テロとか、有事に間に合わなかったら大変です。

とっとと解釈変更しちゃってください。
PJさんへ (猫研究員。=高峰康修)
2006-10-08 20:29:25
>とっとと解釈変更しちゃってください



そういう意見が国民の間で高まれば解釈変更にはずみがつくはずです。こういう高度の政治判断は、内閣総理大臣が先頭に立ってなすべきことですよね。

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