猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

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自衛隊、統合幕僚監部を設置―本格的統合運用へ、統幕長は認証官にせよ

2006-03-31 01:08:23 | 安全保障・自衛隊
 自衛隊は、さる3月27日に、陸海空の3自衛隊を1人の指揮官が束ねて作戦行動を遂行する統合幕僚監部を設置した。この件につき、制度の概観と統合運用の必要性につき簡単にまとめておきたい。
 まず、統合幕僚監部を設置することに伴う自衛隊の運用形態の変更。今までは、自衛隊の運用は、陸海空各自衛隊ごとの運用が基本であり、陸海空の各幕僚長が各自衛隊の運用に関して直接に長官を補佐していた。また、各自衛隊に対する長官の指揮は各幕僚長を通じて行い、各自衛隊に対する長官の命令は各幕僚長が直接これを執行していた。しかし、統合幕僚監部の設置にともない、自衛隊の運用に関しては、統合幕僚長が陸海空の三自衛隊を代表して一元的に長官を補佐する体制となった。長官の指揮や命令も各幕僚長ではなく新設の統合幕僚長を通じて行われることになった。
 自衛隊を統合運用することの意義は、まず第一に、自衛隊の有機的な連携が可能になる点である。つまり、平時から、統合の視点に立って企画・立案した作戦構想に基づいて、自衛隊が有機的に連携し迅速且つ効果的に任務を遂行しうる統合運用態勢を確立しておくほうが、各自衛隊が独立の作戦構想に基づいて行動し必要に応じて統合調整を図るという従来の態勢に比べてはるかに合理的であることは言うまでもない。これを可能ならしめた背景としては、軍事科学技術、とりわ情報通信技術の進歩に伴い、各自衛隊が情報を同時に共有し、かつ一元的な指揮統制を行うことができるようになったことが大きい。逆に言えば、こうした軍事技術革命(RMA)の進展具合が効果的な統合運用の成否に直結する。次に、軍事専門的見地からの長官の補佐の一元化という意義があげられる。各幕僚長と統幕がそれぞれ長官の指揮監督を補佐するという従来の体制では、異なる状況認識と作戦方針に基づいて長官を補佐するものが複数存在する状況が想定され、それは迅速且つ効果的な対処に障害となった可能性がある。統合幕僚監部の設置で一元化することにより、それを改める事ができた。最後に、我が国の同盟国である米国の軍隊が統合運用をとっていることがあげられる。自衛隊は、日米同盟の深化に伴って米軍との連携や共同作戦の必要性がますます増えていく。それをより効果的なものとするためには、こちらもやはり同様の統合運用をするほうがよいということである。
 一言だけ付け加えておきたいのは、統合幕僚長は、その任命を天皇が認証する認証官にすべきであろう。統合幕僚長は、軍事面での最高位のアドバイザーなのだから、任命に際して国家元首たる天皇の認証を得るのがその地位にふさわしく、自衛隊に正しく敬意を払ったことになる。また、各幕僚長も副大臣と同様に認証官とすべきであろう。形式的なことだと思われるかもしれないが、こういうけじめは、ひいては自衛隊の士気の向上にも繋がることであり重要なことである。
 なお、現在の認証官は、以下の官職である。

国務大臣,副大臣(副長官),内閣官房副長官,人事官,検査官,公正取引委員会委員長,宮内庁長官,侍従長,特命全権大使,特命全権公使,最高裁判所判事,高等裁判所長官,検事総長,次長検事,検事長

当然、これらは全て文官なのだが、文官の認証官がこれだけ存在する一方で、武官の認証官が全く存在しないというのは、いかにバランスを失していることか。武官というのは、命を賭して国家国民の安全のために働く自衛隊の責任者なのだ。



(参考記事)
<自衛隊>統合幕僚監部を設置 陸海空の指揮系統が一元化
 自衛隊は27日、1954年の創設以来初めて、陸海空の3自衛隊を1人の指揮官が束ねて実際の作戦行動をする統合幕僚監部を置く。トップの初代統合幕僚長には先崎(まっさき)一・統合幕僚会議議長が就任する。弾道ミサイルの脅威や海外への派遣に備え、自衛隊をいっそう効率的に運用するのが目的だ。
 自衛隊はこれまで陸、海、空の3自衛隊の各幕僚長がそれぞれを指揮し、防衛庁長官を補佐してきた。しかし相互の連絡・連携不足のため、阪神大震災で物資輸送が遅れたり、各自衛隊がばらばらに活動する問題点が浮上した。その後、スマトラ沖大地震やイラクへの派遣など海外活動も増えたうえ、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威、テロなど日本を取り巻く安全保障の環境が変化し、より効果的な運用が求められていた。
 新体制では統合幕僚長は長官の命令で3自衛隊から隊員を集め「統合任務部隊」を組織し、緊急事態に対応する。各自衛隊の幕僚長は後方支援に回り、統合幕僚長を補佐する。各自衛隊は訓練内容から用語も違うため、統合幕僚の幹部は「今後5年、10年という長い期間で体制を固めていきたい」と話している。【反田昌平】
(毎日新聞) - 3月26日21時28分更新


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