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ガーダシルなう

2011-08-06 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
ガーダシル承認申請から4年がすぎ、今年日本でもやっと4価のHPVワクチンが承認となりました。

市中クリニックで患者さんのコンジローマ治療/相談にあたってきた医療者にとってはこの4価のワクチンは、「やっと」の感が強いですね。

大学のえらい先生方からは「コンジローマなんてみたことないよ」というお話をちらほらききますが、HPV感染はもっともポピュラーなSTIです。

治療が難しいのでワクチンで予防できるのはありがたいですね。

見たことないかたはcondylomaとGoogleの画像検索をしてみてください。

ベセルナクリームは、患部に塗布し、あらいながす。これを一定期間続けないといけません。けっこうたいへんな治療です。

膣の中や子宮頸部など、中側にできたコンジローマの治療は難しく、再発率も高く、生命に関わるようなことはないとはいえ、患者さんの精神的負担もとてもおおきい病気です。

公費補助の対象になるということですが、
今もめているのは、このワクチンのことに気づいていない自治体では、接種希望者がガーダシルを接種できなくなるかもしれない(書類上の問題で)ということです。
ガーダシルが入るなら、接種できるよう、気づいたどなたかが(たいていは医師会ですが)行政に連絡し、期限の調整等をする必要があります。

保護者が気づいて交渉をした自治体も知っています。

以上が日本のガーダシルなう、でした。

ガーダシルに入っている6型/11型によってコンジローマの減少が確認されているのはオーストラリアです。
接種した年齢層の女性だけでなく、そのパートナーの男性でも減少中。

オーストラリアは男性への接種も認可されていますが、公費にするかどうか検討中なう、です。

次。ガーダシル@アメリカなう。

来年9価のHPVワクチンが承認申請の予定。

A Study of V503 Vaccine in Females 12-26 Years of Age Who Have Previously Received GARDASIL™ (V503-006 AM1)
臨床試験中のデータ

がん対策のひとつとしてHPVやHBVワクチンは注目度が増すでしょう。
Vaccines: Know your enemy
Nature 2011年3月

でも、子宮頸癌の85%は健診システムの確立していない途上国でおきています。

なので、ガーダシル@途上国なう、ですが、今年の6月にGAVIとメーカーの間で低価格での提供が決まりました。

Drug Companies Slash Vaccine Prices For Poorest Countries
6月6日

メルクは1接種あたり5ドル値引きし、現在の公的納入価格から67%のディスカウントをします。

ちなみに、GSKはロタウイルスワクチンのロタリックスを1接種あたり2.5ドル、ひとり5ドルで提供し、67%のディスカウントとなります。

メルク社がガーダシル200万接種分を、Qiagen社がHIV検査を25万回分を無料で提供し、ルワンダ政府との連携のもとに、無料で若年女性にガーダシルを接種するプログラムが始まっています。
プレスリリース



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