感染症診療の原則

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anal pap smear

2009-11-29 | Aoki Office
日本では山のようにオーダーされ、米国ではあまりされない検査にCRPがあることは感染症を勉強しはじめて知ることです。

反対もあります。

今回エイズ学会のために招聘した米国の講師がHIV陽性症例のマネジメントで行っているある検査で、日本のHIV臨床ではほとんどされていないものがあります。


それはAnal Pap Smearです。(米国から帰国したドクターたちはやっているんでしょうか?)

HPV感染はコンジローマや生殖器・直腸のがんの原因となっていますので、早期診断のためには検査の計画が必要です。

前に同じくお招きしたロナルド・ミツヤス先生の講義でもリスクの説明がありました。
http://www.hivcare.jp/kotsu/dl/21lecture_j.ppt#587,18,米国における肛門癌の相対リスク AIDS-cancer registry match study

Ann Khalsa医師のクリニックでは、男性と性交のある男性の80%がHPV陽性で、3割にAnal Pap Smearで細胞の異常が確認され、またアナルセックスをしない女性(する女性もいますが)でもAnal pap smearで高率に陽性となるそうです。

直腸系の検査のやり方は産婦人科医や消化器系のドクターに教わったとのコト。
それを、新宿の しらかばクリニックの院長先生に伝授しているのがAnn Khalsa先生です。(写真掲載了解をいただいています。念のため)

(場所は名古屋駅上のレストラン街にあるKihachiなんですが・・・)

日本でも患者さんが心配だからしてください、といってきたとき、医師が念のためしようと考えたときにどこでいくらでやれるのか?を確認しようとおもいます。

http://www.medscape.com/viewarticle/499295_5
http://sti.bmj.com/content/81/5/415.abstract
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2 コメント

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Unknown (Nakatani)
2009-11-30 03:14:27
私も現在ほとんどの患者にanal pap smearをしています。そして結果がabnormalな場合は、referral出来る外科医がいます。また、Ann
Khalsa先生は御自身でもmapping 及び治療をなさっています。ただ以前アメリカでも問題になった事は(多分今でも場所によると思いますが)、確かにanal papを施行するのは簡単ですが、ではもしanal pap smearがabnormalな結果となった場合、その後誰がmappingをし治療を行うかというsystemが出来ていないと、検査だけを行って後のフォローがないという事になってしまいます。簡単ですが、一応御参考までに。
ありがとうございます (編集部)
2009-11-30 08:47:55
Nakatani先生 情報ありがとうございます。とても参考になります! 「その後」がないとだめですね。日本で検討する際にはぜひこの点を大切にしたいとおもいます。

振り返ると、この話題は1996年バンクーバーでの国際エイズ会議のときから関係者がいっていたようにおもいます。日本では「え、そんなことまで必要なの?」というレベルでさらっときてしまった印象です。

一般診療でも、オシリのチェックをしないドクターは多数いるんだよ、と編集長がつぶやいております。

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