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会議のあと、これから

2011-03-26 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
24日のワクチンの会議について、同日中にアナウンスが載っています。早いですね。
「小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの安全性の評価結果について」
3月24日 厚生労働省

会議で配布された資料はたくさんあったのですが、それはWAMネットに今後載るんですかね・・。

昨日の会議と前回の会議では、参加していた参考人が異なっていました。

今回はあらたによばれた参考人の成育医療センターの齋藤先生が、重篤な基礎疾患をもつこどもたちでの接種経験・数字を紹介してくださったので、疾患のある子・ない子でも基本的に同時接種OKという話につながっていきました。

一時差し止めになったため、Hibと肺炎球菌ワクチンおよびこの同時接種が問題なのかという疑念が生じてしまったわけですが、専門家は情報を得て再開よかったね、、と思えるのですが、一般の人たちに残った漠然とした不安、今TVでやっている報道や政府発表情報への不信が、予防接種にまで影響していることも実感します。

何かかくしてるんじゃないか?ドサクサで再開するんじゃないか?

こうしてダメージをうけた予防接種制度を信頼されるものにしていくにはいくつか急がなければならないことがあります。

1)個別のワクチンの問題にとどめないこと
予防接種制度全体で安全を優先するモニタリング・情報開始システムを整えること。その母体として、独立した予防接種の問題を扱う組織をつくること。

2)ダブルスタンダードをつくらないこと
同じ口で言うことがちがえば疑われます。
リスクコミュニケーションとして最悪です。
ポリオの生ワクチン問題を早く解決することです。

3)全ての問題を厚生労働省や医師のせいにしないこと
市民・保護者も必要な声をあげること。
誰かがやってくれる、という考え方は、国や専門家のリスク管理に影響します(昨今の報道で痛感します)。
子どもの健康を願って慎重に行っても、リスクはゼロにはなりません。
無過失補償制度が重要で、米国のように1回のワクチンに小額を上乗せして、皆で健康被害補償をする基金をつくるような仕組みを考えたほうがよいのではないかとおもいます。

あと、会議の中でも「慣れた先生の施設はいいかもしれないけど、新たに加わってくる医師や医療機関のところがねえ」というようなことが何度かいわれていました。

だから慎重な表記をしたほうがよいのではないか、という事務局(厚生労働省)側の意見はもっともです。
なぜならば、過去の訴訟などで、注意喚起がたりなかったんじゃねーの?的な言いがかりをいわれているからです。
そもそもゼロリスクではないですし、医師の行動をいちいちコントロールするのは厚生労働省の役割でも責任でもないのに。

保護者の会でも医療関係者や保健所への苦情/要望はよくききます。

だいじょうぶかなあ、という疑心暗鬼よりも、これくらいのことを学んでいるというスタンダードを保証するための講習会の開催、養成課程での学習機会の提供の方が生産的のようにおもいます。

こういった問題のあとはそのような予算が委託事業などでおりてくることが多いですが、今回の国家の危機的な状況でそれは難しいかもしれません。関わる医療者の自助努力。感染症に関わる人たちのサポートや参加も期待されます。

被災地の人への支援もふくめ、このようなときにどうすべきか、広く感染症の対策としてぜひ関心をもっていただければとおもいます。




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