感染症診療の原則

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将来を信じずに、努力は難しい

2008-12-06 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)

その昔、シアトルのUniversity of WashingtonでHIV/STDのコースを勉強していたときに、途上国の若手医療者を招く米国のプログラムで参加していたジンバブエのドクターがこういっていました。

「先進国の人はインフラが整い、基本的な生きるすべがあるからHIV/AIDSにフォーカスして対策ができるのでしょう。対策をしようとするほどの数だともいえます。
私たちの国は、エイズの影響を大きく受けている国ですが、人々にとっては明日あさって1週間後家族が生きていることのほうが重要です。HIVに感染してもすぐにしなないことは皆知っています。将来のために健康管理をしようという先進国のよびかけではうまくいきません」

HIVの流行で、現在ジンバブエの男性の寿命は34歳、女性は37歳となっています。

そのジンバブエは現在コレラのアウトブレイクにより、非常事態が宣言されています。特に首都が大打撃をうけています。

HIVの流行の影響を受けている国は、もともとマラリアや結核など、保健医療の課題の多い国です。
医師も海外へ流出しており病院は病院として機能していません。
http://www.asahi.com/international/update/1205/TKY200812050282.html

アウトブレイク後に何か対策を、というよりも、毎日の基本的な生活の安全を整えるほうが本来の感染症対策であるとこのようなニュースを見るたび思います。

課題は異なりますが、できることを放置していないか、影響を受け安いひとたちのことを配慮した施策なのか、常に考えていないといけないのだと・・・。

(写真はシアトルから帰国された手稲渓仁会病院、星先生。スープカレーの店:ピカンティ)
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