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パイプカットしたのに妊娠:1900万円の賠償請求

2008-12-23 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)

先進国と日本では避妊法に大きな違いがみられます。
国際的にはまず「近代的避妊法」と「それ以前」に分類されます。
近代的といわれるのは経口避妊薬(ピル)やIUDなど、その都度の手間がいらない、システムエラー・ヒューマンエラーが少ないものです。

日本人は既婚者の避妊法が70-80%「コンドーム」という特殊な先進国ですが、コンドームは「脱落」「破損」などの事故率が高く、失敗率も10%前後あるので「それ以前」の避妊法に分類されます。

中高生に説明するとき、どれくらい技術が違うかということで「ワンセグ携帯電話」VS「黒電話」とたとえます。 おばさん・おねーさんにに説明するときは「平成」VS「昭和」ともいいます。 ちなみに膣外射精は「縄文時代」。ま、これは避妊法とはいえませんが・・・。
安全日?そんなものは現実的ではないですね。

男性が精管を、女性が卵管を結紮する不妊手術は子どもを生み終えた世代では選択肢のひとつです。

手術をするからには当事者は100%の効果を期待します。

しかし、このたび夫が手術をしたのに妻があるとき妊娠。
妻の不貞をうたがうなどすったもんだがあったものの、妻は身の潔白を証明するために出産します。そしてDNA鑑定をしたところ、こどもはまぎれもなく夫の子。
矛先は病院にむかいます。1900万円の損害賠償で訴えられているとのことです(宮城県の事例)。
http://backnumber.dailynews.yahoo.co.jp/?m=35535&e=medical_malpractice

もともとこどもは2人で十分・・だから不妊手術・・・だったのに3人目。しかもこんな事件付きですが。健やかに育つことをお祈りします。

ちなみに、手術は女性よりも男性の方が簡単です。
ネットでしらべたところ、日帰り手術で5万~15万円ほど。

ピルだと毎月3000円×12で年36000円。リングも定期交換がいるので、安定したカップルでもう子どもはいりませんだったらいい選択肢のひとつです。

しかし今回のようなことがおきるのでは安心できません。そこで泌尿器科医の岩室先生におききしたところ、びっくり!のお話がきけました。

それは「精管の再生力(?)」です。

再吻合力はすごいため、泌尿器科では以下のように手術をすることになっているそうです。
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1.精管を数センチ露出し1センチ程度は切除する。
2.両側(精巣側、尿道側)の断端を電気メス等で焼いた後、折り返した状態で結紮する(この結果、実際には静観の断端は3センチほど離れた状態になります)
3.結紮した両方の断端を皮下の別々の層に埋め込む。

特に3が重要で、切りっ離しは言語道断ですが、2までしか行わない先生がいるようです。
私の場合は3まで行っても、「万が一の再吻合はあり得ます」という話をするようにしています。きちんとした研修を受けずに安易に開業する先生が多いので、この手の「手術ミス」は増えるのではないでしょうか。
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男性も女性も年齢によってはその後離婚再婚をして「もう一度赤ちゃんがほしい」という人もいますね。そのため体外受精で、、という話もききます。

よくある話としては、「妊娠しないからラッキー」と婚外活動をする人たちです。
あっというまに感染症をもらうので別の意味で危険です。
そんなアフターケアも熱心なクリニックならしているかもしれませんね。

最後の最後に感染症の話でした・・・。

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