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ワクチンと不妊症 その2

2011-01-08 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
(コメント欄にきた質問で、誤解の多かった話)

ある薬剤を投与したら、女性(あるいは男性)が妊娠しなくなるとはどういうことか?
不妊の人達を検査すると、原因がわかる場合もありますが、わからない=原因不明ということもままあります。


実は、日本にはないのですが、他の先進国および途上国には注射式の避妊薬Depo-Proveraがあります。3ヶ月に一度注射(筋注)をすると、妊娠を避けられるというわけです。

(これとHPVワクチンを誤解している人もいましが)

現地の医師やナースに聞くと、定期的な注射を忘れない(3ヶ月に一度を思い出して受診することが大切)ことが重要です。

つまり、忘れたら妊娠してしまう、というわけです。

低用量ピルと同じく、排卵を抑制します。
大元をブロックするのですから、避妊として効果的です。

「妊娠しなくなる」状態をつくるためには、妊娠のプロセスのどこかをブロックする必要があるからです。

あるワクチンを打って、それだけで不妊症になるとしたら、どのような変化がどこにおこるのか?を説明できないといけません。

注射したら、その男性はタチマチ無精子症になれるとか。
(お医者さんのパイプカットの収入が減ってしまいますね)

注射したら、その女性は卵巣が消えちゃうとか、卵巣が突然機能停止するとか。そのためにホルモンフィードバック機能が破壊されるとか、子宮内膜がつくれないほど子宮の粘膜が障害をうけるとか。

そのあたりの説明があれば説得力や現実性のある話になりますが。

ネット上の陰謀説は不妊になる!とかいてありますが、ナゼ不妊になるか、機序(作用や仕組み)の説明がありません。
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