感染症診療の原則

研修医&指導医、感染症loveコメディカルのための感染症情報交差点
(リンクはご自由にどうぞ)

抗菌薬の整理

2006-02-25 | 青木語録
お台場で開催中の日本環境感染学会に参加されたN先生から「先生が以前宮古島にいたときの仕事に関する記載を抄録にみつけました」というメールをいただきました。(↓この演題のことですね)
http://www.societyinfo.jp/environ/abview.asp?aid=P2B06

1988年頃、抗菌薬の整理・耐性菌対策のソフトの開発などをやっておりました。
とくにこのソフトは面白くて「今まで存在しない感受性パターンの菌が出たら医師が気づく前に看護婦に警告を出す」とか、「感受性の良い菌であれば広域スペクトラムの抗菌薬の名前を感受性レポートから隠す」といった内容のものでした。
とくにイミペネムの使用が「沢山」から「ゼロ」に変わったのは懐かしい思い出です。(使用制限のために、イミペネム使用理由を処方時に義務づけして、理由が不適切な場合には職員食堂に貼るというものでした、、、。)

自分の後にもこの取り組みを続けてくださる方々に恵まれ、宮古島の抗菌薬の整理では現沖縄中部病院の遠藤先生が、聖路加国際病院の整理では古川先生が更に発展させてくださいました。

2003年厚生労働省発表の各病院の院内対策状況調査(全国3千病院、回収率40.2%)によりますと、
●抗生物質使用を届出制にして過剰使用抑制するシステム採用 15.3%
●抗生物質の使用ガイドラインがある病院 30.2%
●使用量を把握している病院 63.2%
●抗生物質の使用を現場の医師らに任せたまま 約4割
という結果でした。
病院機能評価におけるチェック項目にもなり、今では学会などでも「当院における使用届出抗菌薬の使用状況」といった発表をたくさんみかけるようになりました。
インターネット上にも届出用紙や薬剤感受性の調査結果などをICTの成果として公開しているところがいくつかあります(例:久留米大学病院感染制御部)。
皆さんの病院ではいかがですか?
藤本先生のいらっしゃる市立堺病院ではICTの全体の取り組み全体の中で薬剤管理のことが説明されていてわかりやすいです。
http://www.municipal-hospital-sakai-osaka.jp/bumon_c/ict.html
ちょうど大曲先生のブログでも話題になっています。
http://blog.livedoor.jp/lukenorioom/archives/50412038.html
コメント (5)   この記事についてブログを書く
« ブログで再会 | トップ | ラーメン専門店「いちや」 »
最近の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
よい雰囲気 (OCH卒業生)
2006-02-26 03:31:35
宮古で職員食堂に貼っておられたとのこと。職員達もそれをむしろ望んでおられたのでしょう。沖縄という土地柄、あるいは宮古病院にもOCH卒業生が多く、「(寺沢先生らとともに卒業生の中でも俊才かつ優しさのある)青木がやるのなら」「青木のやりたいようにやらせよう」「青木に任せたほうが患者さんのためにも地域のためにもなるよ」という雰囲気があったのだと想像します。そして今、それが正しかったことが学会で発表されている。宮古という島全体に強烈な影響を残された訳です。誰も気づいてくれないかもしれませんが、、。わたしもそんな仕事ができればいいな、と思っています。
「食堂」がいいですね (勉強中)
2006-02-26 07:27:57
印刷物回覧は意外に(残念ながら?)読まれません。食堂に掲示というのはコストや手間のわりにアナウンス効果的は絶大ですね。

抗菌薬についての知識や態度は医師によってかなり差があるので管理は必要と思いますが、管理できるICTがあるというのが前提ですよね。
医師による差 (OCH卒業生)
2006-02-26 09:27:24
ほんとは医師による差があまりないのがもっといいのではないでしょうか。そうすれば管理もICTも要らなくなるのかもしれません。
採用抗菌薬の整理 (大曲 貴夫)
2006-02-26 18:17:44
青木先生、私の記載のご紹介ありがとうございます。以前院内採用抗菌薬についてご質問・ご相談させて頂きましたが、覚えておいででしょうか。あの時期は抗菌薬適正使用のあり方について随分考えたり調べたりしていた時期なのですが、大変勉強になりました、ありがとうございました。



私は先生が整備された採用抗菌薬を元に感染症診療の基礎を学んだわけですが、実は1980年代に先生は既にこの取り組みを開始されていたのですね。

理解者 (Aoki)
2006-02-27 10:23:05
大曲先生、コメントをありがとうございました。県立宮古病院での抗菌薬整理を可能にしたのは当時の院長でらした高江洲均先生の全面的ご支援があったからです。また聖路加国際病院での理解者は当時、院長でいらした日野原重明先生でした。抗菌薬という非常に利害の錯綜するものを整理するには理論のほかに後方で支援して下さるMuscleが必要なのです。ちなみに「職員食堂に貼る」というのは実施されるまえの「お知らせ」だけで最大の効果があり実施されませんでした。

青木語録」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事