普段は耐性だ、βラクタマーゼだ、・・といった議論はあまり得意ではないのでAttentionしないのだが流石に日常、頻繁にお相手をしないとならない梅毒についての記事があったので編集部に促されて読ませて頂きました。
それは梅毒スピロヘータであるTreponema pallidumがなぜ50年も使用しているペニシリンに耐性にならないのか・・?という極めて興味深く意味深なタイトルでした。
(The NYU Internal Medicine Blog-A Daily Dose of Medicine:Why is Syphilis Still Sensitive to Penicillin?)
そして、その心は・・
まず、第一段階:梅毒スピロヘータにあるPBP(ペニシリン結合蛋白)は同時にペニシリナーゼとしても働く・・。(PBPもペニシリナーゼもペニシリンと結合するわけだよな・・)
当然、第二段階:ペニシリンがPBPに結合するとペニシリナーゼに破壊される。
すると、第三段階:ペニシリナーゼによるペニシリンの破壊が、ある副産物が生じる。
そして、第四段階:この副産物は非常にPBPに対する親和性が高いの、バシッとPBPに結合して梅毒スピロヘータを殺す。
まあ、回りくどいけれども、ペニシリンは壊されながらも子分(副産物)にPBP結合・スピロヘータ破壊を託しているわけです。
ちなみにマクロライドには耐性が見つかっていますから全ての抗菌薬について耐性にならないわけではありませんね・・
(写真の人物は本文の内容と直接の関係はありません。)