山歩き、渓歩き

以前の山のぼり、渓流釣りなどのふりかえりと最近の風景を織り交ぜて。

奈良田越、大井川源流釣行 16

2006-06-09 18:29:15 | 渓流釣り
 
  奈良田越、大井川源流釣行 16

徐々に登りになる、やはり間違いでは?でも一昨日来たところより先までいってみよう。どんどん登りになる。やはり聞違いだ。とにかく引き返そう。少し戻ると、ふいに、藪のなかから人影、初めは何物かと、お互い一瞬びっくりしたようだ。

「この道は自剥への登山道で、自分はここへ登るのだ、今朝転付を発ってきた。」と言う。
 ある本には、目立たない山で白剥だけをめざす登山者は皆無だと記してあったが、よほどの山好きの人のようだ。「奈良田越は下の鞍部の所で、奈良田への下山路は今は廃道でよくわからない。こんな所で人に会うのはめずらしいなあ」と言って別れていった。

 奈良田越に戻って、こうなれば一番低いところだと、笹のなかを下りだす。何となく踏み跡らしきものがある、獣道よりましだが、すぐ見失う。後は動物的感を頼りに、適当に降りていく。やはり、時に、踏み跡らしきものがある、今度は見失わないようにと必至だがすぐにわからなくなる。

 途中にガレ場があると、もう全くわからなくなり、また登りなおさなければならない。できるだけ傾斜のゆるやかな、小尾根を見つけまた下りだす。下方に、朽ちおちた小屋が見える、やはり間違っていなかったのだ。

 ここまで来れば安心、と思い、下り路を探すが全く見つからない。また適当に下りだすと、沢音が聞こえてきて、小沢が現われた。だが段差もきつく、下れない。また引き返し、別の方に下ると、ゴウゴウとした水の音、本流のようだが、滝だらけでとても下れない。