冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

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八ヶ岳テント泊縦断 その1

2019-09-15 00:39:15 | 旅行
2019年8月3日から5日にかけて、観音平から麦草峠まで八ヶ岳を縦断しました。今年はGW以降はお天気も悪くて全然お山に行っていなかったので体力的にはかなり不安なものがありましたが、この時期どこかの高山に行かないとひと夏無駄にしてしまうので、混雑必至でロングコースのアルプスを避けて八ヶ岳にしました。赤岳より南の方はまだ歩いていなかったし。
結果的にはお天気にもかなり恵まれ、充実した山行でした。八ヶ岳はいつ行ってもお天気がよくて、愛されている感じがします。そして、樹林帯の香りや小鳥の声、数多くの高山植物の花々など、岩々しく格好いい稜線美だけでないたくさんの魅力にいつも癒されますね。かなり贔屓の山域です。
いつも通り、まずは山行のまとめ的な写真を数枚アップ。






















八ヶ岳を(ほぼ)全山縦走しようとすると、まずは観音平から網笠山を目指すのが一般的と思います。私もそうしたのですが、公共交通機関利用の場合小淵沢駅から登山口までのアプローチは基本的にタクシーになるので、困りもの。そこで、8,000円と安くはないのですが毎日アルペン号を利用しました。これなら夜明け前の朝4時から登山を開始できるというメリットもあるので。まあ、毎回のように寝にくい、あまり快適ではない車内ですが。


午前3時半頃には観音平の駐車場に到着し、眠いのに下ろされます。さっさと準備をして登山開始。丁度4時ごろでした。


初日は観音平から網笠山と権現岳を登頂し、権現岳と赤岳の間のキレット(八ヶ岳の一般ルートではかなりの難所)に立つキレット小屋のテント場に宿泊予定です。コースタイムこそ6時間15分となっていますが、斜度や岩場を考えると3か月ぶりの山行にしては厳しいルートだし、累積標高差も1,400mを超えるのでそれなりの覚悟は必要です。

出発から最初の20分くらいはヘッドランプの明かりが必要でしたが、夜明け前でも日の光で直ぐに明るくなりはじめ、特に問題なくコースタイム通りに最初のチェックポイントである雲海というところに到着。ベンチがあるので水を飲んでヘッドランプを外す。




周囲は八ヶ岳らしい針葉樹林。


この辺りまでは結構快調で、3か月ぶりの登山かつ今夏初めてのテント泊装備という不安を払拭させるような体調でしたが、この後しばらくすると体力減退というか、体が山慣れしていないために苦行を強いられました。
お花は地味で、トリアシショウマとかヤマホタルブクロが散見される程度。あまり癒しにならない。




網笠山、結構森深い感じ。針葉樹の香りはいいんですけどね。


この日は夜明けから暫くは好天で、それはいいんだけど真夏はやはり暑い。汗が噴き出て苦しい。登山道もこんな感じになってきて、滑りがちな大きな石はテント泊装備だとペース落ちるし。写真もブレている。既に集中力が減退。


大きな石の道は、登りも下りも日帰りや小屋泊装備なら効率よく進めると思うんですよね。一歩一歩が大きくて、ピョンピョン行ける感じで。これがテント泊装備だと重い荷物のせいで転びやすいから足の置き所探すのにも苦労して、全然ペースが上がらない。
そんな中、シャクナゲが結構咲いていたのは嬉しかった。


で、次のチェックポイントである押手川にはコースタイムより5分ほど遅れて到着。大した流れではなく、濁っているので水場にもならないところですが、なぜか名前がついていてチェックポイントになっている不思議なところ。




この後も地味ながら楽ではない道が続く。


木漏れ日が美しかったり、針葉樹に交じって白樺が出てきたりとそれなりに森歩きも楽しいのですが、汗まみれで苦行感が強い。この日はあとから来た小屋泊装備の人達に抜かれまくりました。と言うか、テント泊装備の人は少なかったですね。




シャクナゲだけは癒し。ハクサンシャクナゲですかね。まだ蕾のものもありました。


押手川から40分ほど歩いて、やっと少し展望が得られる場所に。


ここでタカネバラ。至仏山と白馬岳でしか見た記憶がない。しかも、こんな大きな木は初めてかも。網笠山の意外な実力を認識。




シャクナゲは相変わらずキレイ。


この他にもアキノキリンソウやオトギリソウが出てきて、徐々にお花が増えて嬉しい道に。そして、岩々しい感じで視界が開けたので山頂が近づいた感。ザックを下ろせるという期待が膨らむ。


振り返るとやや霞んだ空の下に小淵沢方面。


網笠山山頂直下の岩場は、オトギリソウが多く咲いていました。


そして何とミネウスユキソウも登場。可愛い。網笠山のお花の実力、侮り難い。


で、苦労しながらもコースタイムより5分ほど遅れただけでなんとか登頂。


これから向かう権現岳方面。まだひたっすら遠い感じ。阿弥陀岳も見えています。赤岳には雲がかかり始めています。南八ヶ岳山々は荒々しくて格好いいですね。この時はまだあれらの山々の厳しさを実感していませんでした・


権現岳拡大。山頂は右側。左側はギボシと呼ばれるピークでしょう。


山頂では菓子パンなどで栄養補給し、しばし休憩。これまではテント泊装備でも、休憩時間を入れてもコースタイムより遅れることは少なかったのですが、この日は流石に久しぶりの山行のせいか遅れ気味でした。それでもまあ、晴れていて展望もいいので山頂は気持ちいい。


まあ、正午くらいまでにキレット小屋に着けばいいと思っていたので、それほど気にしていませんでした。この時点では。だって4時に出発でコースタイム6時間15分なら、正午までには着かないとは思わないでしょう。着かなかったら、それは無茶苦茶バテているか、事故があったか、そういうレベルでしょう。
で、10分くらい休憩して出発。コースタイムで20分下って青年小屋を目指します。そして、ここからがこの日の誤算の始まり。2019年の8月前半は、7月終わりまで続いた長梅雨が明け、猛暑の到来と共に大気は不安定なことが多く、午後は雷雨の日が多かったのです。この前日もそんな感じで、網笠山の樹林帯も道が濡れていました。そして、山頂直下は大きな石で滑りやすく、テント泊装備だと緊張感を強いられます。何でもないルートのはずがコースタイムの倍以上の45分かかりました。写真を撮る余裕もなし。ゴゼンタチバナのピントのずれた写真が2枚あるだけ。
そして、山頂直下の樹林帯を抜けると、今度は火山性の大きな岩の道。これ、小屋泊装備だとピョンピョン跳びながら走って下りられる楽しいところなんだけど、テント泊装備だと転ばないように慎重になるから遅くなるという道の典型。これも45分かかった理由の1つです。


高山蝶に癒しを求めるが、日帰り装備の女性に簡単に抜かれていく。


で、やっと青年小屋。美味しいと評判の水を汲もうかとも思いましたが、遅れが出始めているのでソイジョイで栄養補給して息を整えて直ぐに出発。


権現岳に向けて出発して5分ほどで振り返った図。網笠山の山容はまさに笠ですが、あの何でもなく見える山頂からの道にあれほど苦戦するとは。


そして、ここからも苦戦。権現岳までの道は、ハッキリ言って普通の道です。時々片側が切れ落ちた道で斜度的にも楽ではないですが、ガレもザレも斜度も際立ったものではなく、お花も多いので普通なら楽しんで登れる道でしょう。まずはミヤマセンキュウ。


しかし、この日はこの時点で既にバテ気味。ここからコースタイムに対して遅れが目立ち始めました。40分ほど歩いたところで、チシマギキョウがきれいで少し開けたところがあったので、ザックを下ろして少し休憩。いつもならお花の写真撮ったりしながら立ったまま5秒も休めば回復するのに、この日は心拍も息切れも回復しない。


見えているのはギボシかな。格好いいんだけど、この辺りから徐々にガスが湧いてきました。時刻は9時に近づいていて、夏山ではそろそろ雲が上がってくる時間なのでしょうがない。


何とか再び歩き始める。ダイナミックな景色は見ごたえがあります。体力的に余裕あれば楽しいルートでしょう。


お花もとても豊富でした。イブキジャコウソウは多かった。




イワオオギも多かった。




タカネナデシコは少なかった。


ミヤマダイコンソウは終盤で残念。黄色の花は可愛いのに。


シコタンハコベがあったのは嬉しい。赤いオシベが目立たなくてちょっと残念だけど。


コゴメグサも多かった。今年は、ほかの山域でも多くのコゴメグサを見ました。当たり年だったのかな。小さくて地味な花ですが、よく見ると複雑な色合いで、黄色と紫が芸術的な花だと思います。


そして、この山行で一番目立っていたのは青紫のチシマギキョウ。




あとは、初めて見た花としてはミヤマオトコヨモギがたくさん咲いていました。ただし、ピントが合わせづらくて、バテ気味でお花のお写真を撮るためにかがむのも一苦労のこの時は上手く撮影できず。
ミエウスユキソウもあります。いやはや、白、黄色、青、赤、紫、全ての花がある。八ヶ岳って本当に花の名山だと思う。




お花を愛でるのは私の山行の最大の目的と言っていいので、それは楽しい。しかし、やはり背景に青空があった方がいいですね。この日はそれが残念でした。そして、ガスが行く手を遮り始めます。


風景的には絶景稜線は望めなくなりましたが、お花はどんどん出てきます。タカネニガナ。


可愛いミヤママンネングサ。




そしてイワツメクサ。イワツメクサが出てくると高山のイメージ。ライチョウさんの好物だし。


ミヤマオトコヨモギをやっと少しまともに撮影。この絵にあるように、実際には多くの花々が寄り添い合って咲いています。






シコタンハコベも再び登場。可愛い。


で、ヤマレコレポートにもよく出てくる切れ落ちた岩場の道に。ホント、高山植物ってこういうところに多いから不思議だよな。


この日、一番ピントが合わなかったのが何故かヨツバシオガマ。それなりに多く咲いていましたが。


ウサギギク三連星。


そして、コースタイムより30分ほど遅れてやっとのことで権現岳直下の権現小屋に到着。遅れていることもあり、ここでは休まずに山頂を目指します。


小屋近くにもミネウスユキソウやミヤマダイコンソウ、ミヤマダイモンジソウなどが可愛く咲いていました。権現岳は花の種類が多くて素晴らしいと思います。






で、コースタイム1時間30分のところを2時間かけてやっと登頂。権現岳2,715m、この日の最高地点。


山頂の剣も一応触っておく。


網笠山を振り返る。いやー、この道に何でこれほど苦労したのか。青年小屋から権現岳山頂までは400mくらいの標高差ですから、調子がよければ1時間ちょっとで登れると思います。それが2時間かかるとは。


気を取り直してキレット小屋のテント場を目指します。疲れたからと言って休んでいては何時までたっても安全地帯にたどり着かないというのが登山の不都合な真実。まあ、相変わらずお花は綺麗だし。チシマギキョウやタカネニガナに加え、ムカゴトラノオも出てきました。相変わらず色とりどり。






そして、ヤマレコレポートでもよく目にする長い梯子の登場です。


ガスが出て微妙に濡れていることもあり、いつもは緊張しない梯子もこの日は少し緊張しましたね。でも、ゆっくり慎重にいけば大丈夫だと思います。梯子の転落って意外と少ないんじゃないかな。ちょっとした岩場の方が、滑ったりすると掴まる場所がなかったりして危ない気がしますね。
梯子を下りたところ。片側切れ落ちた道です。まだキレットと呼ばれるエリアではないかもしれませんが、この辺りからはずっと険しい道でした。


このお花は何ていうのかな。可愛いけど名前が分からない。


振り返ると権現岳。ガスのかかり方が悪役的。


この辺りからの道は、斜度はそれほどではなくても岩で足の置き所が限られる感じの道が続きます。特にそういう道で下りの場合、テント泊装備だとホントに気を使うからどうしてもペースが遅くなります。権現岳からキレット小屋までのコースタイムは1時間10分ですが、1時間半はかかるだろうと思いました。10時20分ごろに権現岳を出発だったので、ちょうど正午頃に着くかなと。

この後、極端に写真が減ります。理由は、ガスで景色が見えない。そしてお花も減った。そして道が険しい。何より不快だったのは、大きなアブ。ハッカ油もあまり利かず(と言うか、汗で直ぐに効果が切れた)、スポーツタイツの上からでもどんどんかみついてきます。最初のうちは払いのける余力もありましたが、そのうち険しい道をスリップしないようにする方に集中せざるを得ず、結構噛まれました。噛み後は、その後1か月たってもまだかゆいという悲惨さ。恐ろしい。

キレット小屋までは300mほど下るのですが、スリップしないように行くのがホントにたいへん。そして、結構アップダウンもあって、バテ気味の体にこたえる。


この先とか、少しのアップダウンも気がなえる。


ツルネという小ピークはコマクサの名所のようです。確かに綺麗な形のものが結構咲いていました。ただ、数では翌日以降にもっと凄い群生地を通りましたが。




そそて、ハイマツ帯から樹林帯に降りるとそろそろやっとのことでキレット小屋が近付きます。グンナイフウロも登場。


で、何と到着は12:20.権現岳から2時間かかりました。コースタイムの約2倍ですよ。まさかの正午越えでした。


小屋の近くにはコマクサも。


キレット小屋は小さくて渋い山小屋。とても趣があります。小屋番さんも山の男って感じ。でも親切でした。幕営領料550円。水場はちょっと下ったところですが、やや急坂でちょっと危険なところにあります。テント場はあまり広くないですが、私は3人目だったのでいい場所に張れました。
この日も午後は雷雨の恐れがあったので、速攻でテントを張りました。そして、予想通りに石で四隅を固定する直前に大粒の雨が降り始めました。時刻は丁度1時。雷もすごい。いやー、ギリギリ間に合ってラッキーでした。神に感謝。この夏は雷に打たれて亡くなった登山者もいるようで、雷雨は怖いですからね。
で、2時半ごろに雨が上がってから水場で汗まみれのシャツを洗ったりして、少し落ち着く。


樹林帯の中の静かなテント場。とても感じがいい。南アルプスの熊ノ平のようだ。小じんまりして木の香りのよいこういうテント場は好きです。


テント場からは赤岳方面も見えるはずですが、この時点ではガスガス。


で、17:00頃に雲がだいぶ降りて行って、顔を出してくれた赤岳。うーん、相当な悪役ボスキャラだ。






これは大天狗、子天狗と言われる岩のようです。赤岳は槍ヶ岳的な岩峰であることを思い出させますね。


赤岳山頂付近アップ。いやはや、明日のキレット後半戦はかなり辛そうだ。


逆側は緑濃い山で、テント場が山深いところにあるのを思い知らせてくれる雰囲気。この雰囲気好き。


6時前に夕食。いつものパスタとキノコスープ。疲労感あったので、もっとタンパク質を持ってくればよかったと後悔。


夕食後はさらに雲が下がり、赤岳がよりハッキリ見えました。


あのルンゼを行くのか。ほとんど垂直に見えますな。ちょっと不安。テント泊装備は失敗だった説。まあ、終わってみれば達成感かも。


ということで、筋肉痛にならないようにストレッチをしっかりして就寝です。夜中にちょっと起きて外を見ると、星空が綺麗でした。雷雨はあったものの、翌日の天気はよさそう。これまで赤岳には2回、硫黄岳には積雪期含め3回登っていますが、いずれもピーカンでした。明日も八ヶ岳の神様に愛してもらえるような気がします。

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