平成19年11月7日に公開された「山梨再生に向けた行動計画(仮称)」(素案)をざっと見ましたが、61ページの【基本目標4 「はぐくむ・やまなし」の実現】-【政策5】県立文化施設の整備・活用、がありました。ここに「ミュージアム甲斐ネットワーク」が入っていたので私は注目しました。
【政策推進に当たっての基本的考え方】
県民が生涯を通じて芸術・文化に親しめる環境をつくっていくためには、県立文化施設の整備を進めるとともに、その活用を図っていくことが重要です。このため、新しい時代にふさわしい県立図書館の整備を、県民の幅広い意見を踏まえながら進めます。また、県立文化施設が提供するサービスの向上を一層推進し、利用客のリピーター化などを図ります。
【施策の方向】
- 幅広い意見を踏まえながら、新しい時代にふさわしい県民に親しまれる県立図書館の整備を進めます。
- 県内博物館等の連携を促進し、県民の郷土に対する歴史観をかん養するとともに、鑑賞の機会を充実することで「やまなし学」の推進を図ります。また、県内美術館等のネットワーク化を図り、研究成果の共有化や相互のコレクション貸借等を促進するとともに、県立美術館等4館における共通パスポートの販売により、リピーター化を促進します。
- 県民文化ホール等の文化施設においては、優れた舞台芸術鑑賞機会の提供など、一層の利用者サービスの向上を推進します。
- 県立文化施設の一層のサービス向上と経費削減を図るため、指定管理者の活用を含め、在り方を検討します。
- 「こどもにすすめたい本」の作成・配布や、子どもへの読書案内、読書相談を実施し、子ども達に読書の楽しさを伝えます。
【主な数値目標】としては、
ミュージアム甲斐・ネットワーク会議参加博物館数が、平成18年の76館を平成22年には120館にする
県立文化施設(美術館、博物館、考古博物館、文学館)の入館者数は、568,391人を575,000人(19年~22年の年間平均)にする、という目標値が掲げられています。
先日の記事に書いたように、ミュージアム甲斐ネットワークの参加は104館で「発進」しました。76という数字はこのネットワーク設置の企画段階でのものと思います。山梨県内に美術館、博物館などが全部でいくつあるかは未調査ですが、2007.05.17の「美術館ガイドブック」でご紹介したように山梨新報社はここで144施設をリストしています。全ての施設がミュージアム甲斐ネットワークに参加できるものではないと思いますが、ここでの数値目標は参加数というより、「全ての参加館でホームページが完成する」という事を目標にしたらよいと思います。
このページに出てくる「やまなし学」という言葉を先日の「明日の山梨考えるフォーラム」でも聞きました。記念誌の巻頭言を渡辺利夫理事長は、「山梨学の創成を求めて」と題してお書きになっています。
『迷った時には歴史に聞いてみよ、です。山梨の伝統的地域文化のありよう、暮らしぶり、行事、祭礼、人間関係を研究し、それを現代に生かす。そうした知的営為の結実として「山梨学」の一日も早い創成を期待しつつ日々の仕事に努めております。』 これを拝読して私にも「やまなし学」とは地理、歴史を学ぶだけでは無い学際的な地域研究 Area Study であることが分かってきました。これは地域に関係する人々に共通となる哲学(山梨を見る時の見方、考え方)を提示する作業だということです。
この「やまなし学」を知る事で山梨理解の入口が分かるもの、政治、経済、社会を個々に分析する時のキーになるものかと考えています。内にいても外からでも、それが見えると見えないとでは山梨の全体像の理解が大きく違ってくると思います。山梨って武田信玄だけじゃ無いんだよ、と。それを世界に発信できたらよい。発信できるということは受信できるということでもあるのですから。逆に言えば受信できなければ発信は出来ないのです。
ブロードバンドと言ってもADSLでは上り(発信)と下り(受信)の速度が大きく異なります、上りが遅いのです。だから私も早く光(FTTH)にしたい(^o^) また話が発散してしまった。