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世界選手権2018男子フリー

2018年03月24日 23時07分51秒 | スポーツ

 フィギュアスケート・世界選手権2018男子フリージャッジスコア)。

<G1>
ジュリアン・ジージエ・イー(マレーシア) SP:72.43(21) FS:136.60(20) 合計:209.03(21)
 「It's a Man's World」「Get It On」「I Feel Good」♪ 黒シャツ。慎重にトリプルアクセルに入り、2回転トウループをつける。2本目のトリプルアクセルも決まった。サルコウでちょっとステップアウトしたが、ルッツ、フリップと安定している。
 曲が変わるところから、ノリノリの振付で観客を煽り、観客も歓声を挙げて反応。踊りまくるコレオにステップ、ループやダブルアクセルx2のシークエンスも決まって、最後はバタフライ3連続で熱狂のフィニッシュ。

ダニエル・サモヒン(イスラエル) SP:72.78(20) FS:141.23(18) 合計:214.01(20)
 「Two Angels」♪ 白から紫のグラデーション。トウ・トウ4-3がすっと決まって会場がおお!と惹きつけられる。4回転サルコウ転倒、トリプルアクセルはステップアウト。2本目のトリプルアクセルがこらえきれず転倒になってしまった。ルッツやループでも手をついて、まとまりきらない。
 スケーティングの伸び、ステップの滑らかさは年々よくなっている。

スラヴィク・ハイラペティアン(アルメニア) SP:68.18(23) FS:131.54(22) 合計:199.72(23)
 「God Bless Armenia」♪ 濃い紫、袖口にゴールド。冒頭のトリプルアクセルは単独に、2本目はダブルになった。後半フリップ・トウ3-3、トウ・トウ3-2でリカバリー。
 淡々とした感じだけど、祖国への想いを込めた曲らしい。もっとできると思っていたようだが、少し自己ベスト更新

ブレンダン・ケリー(オーストラリア) SP:74.99(19) FS:148.86(15) 合計:223.85(18)
 「Shine On You Crazy Diamond」「Money」♪ 黒系。最初の4回転トウループは単独に、4回転サルコウは手をついた。2本目の4回転トウループをルッツ・トウに変えたが2-2になってしまい トリプルアクセルもステップアウト。それでもルッツ・ループ・サルコウ3-1-3など頑張った。
 スケーティングは伸びやかだが、もう少し盛り上がっていく曲のほうが似合うかも。

フィリップ・ハリス(イギリス) SP:68.59(22) FS:119.10(24) 合計:187.69(24)
 「Blues for Klook」♪ 藤色のシャツ。フリップ・トウ3-3から、手をついたがこらえる。トリプルアクセルも着氷。2本目がダブルになり、終盤2本ダブルアクセルを跳んだ2本目が3つ目となって無効になってしまった。
 ルッツからの3連続はルッツ・ループ・サルコウ2-1-3に。第1ジャンプが2回転でも、第3を3回転にできたのは偉い。
 高橋大輔の名プログラムを思い出す曲だが、振付にいろいろ工夫していて、ちょっとしたポーズや間がユニーク、なかなか見せるステップだった。

ドノヴァン・カリーヨ(メキシコ) SP:68.13(24) FS:132.63(21) 合計:200.76(22)
 「Hasta Que Te Conoci」♪ ブルーに斜めのライン。キュートなメキシカンは、イタリアの観客にもう大人気 イーグルからダブルアクセルを跳んだだけで大きな拍手。ルッツ両手上げ・トウ・ループ3-2-2頑張り、ほかのジャンプも概ね予定通り跳べた。
 曲の変わり目で妖艶に腰をくねらせると、またまた大拍手。自己ベスト更新の200点越え、これからが楽しみ

<G2>
マックス・アーロン(アメリカ) SP:79.78(15) FS:161.71(10) 合計:241.49(11)
 「オペラ座の怪人」♪ グレー系。得意の4回転トウループは単独に、4回転予定のトウループはトウ・トウ3-2となった。しかしトリプルアクセル+2回転トウループ、単独トリプルアクセルがきれいな流れで跳べたのは大きい。ルッツ・ループ・サルコウ3-1-3も入った。
 丁寧だが感情のこもったステップやコレオ、全体にまとめることができたかな。

ロマン・ポンサール(フランス) SP:79.55(16) FS:149.65(14) 合計:229.20(16)
 「ムーラン・ルージュ」より「Your Song」♪ 黒ジャケっと、無精ひげがおしゃれ。4回転トウループ、手をついたが下りる。2本目は傾いたが1回転トウループをつけて基礎点を守った。トリプルアクセル+2回転トウループ、2本目のトリプルアクセルと頑張る。フリップは抜いて最後にダブルアクセルを入れてきた。
 ステップはちょっと物足りないが イナバウアーや大きなイーグルのコレオでは盛り上がった。終わってやり切った表情のガッツポーズ。初出場でよく頑張った。自己ベスト大幅更新。

ドミトリ・アリエフ(ロシア) SP:82.15(13) FS:170.15(6) 合計:252.30(7)
 「To Build A Home」「Little Miss Sunshine」♪ 紺のVネック。4回転ルッツ、下りた トウ・トウ4-3、単独4回転トウループとスムーズで、SPのミスは何だったの?という感じ。アクセルでパンクがあったが、2本目はうまくこらえる。ループ・ループ・サルコウ3-1-3も入る。
 首や肩の動きをうまく使ったコレオ、しっとりした雰囲気を出していた。

ミハル・ブレジナ(チェコ) SP:78.01(17) FS:165.98(8) 合計:243.99(10)
 「Human」「Stand By Me」♪ 白の上にネット風の黒。ヨーロッパのベテランを熱く迎える観客。幅のあるサルコウ・トウ4-3、決まった トリプルアクセル+2回転トウループも入って、2本目の4回転サルコウは回避してルッツに。2本目のトリプルアクセル、フリップ・トウ・ループ3-2-2、いつになくジャンプ好調。最後のサルコウは2回転になってしまったが
 「スタンド・バイ・ミー」で全身で語るようなステップ、よかった。やり切った表情で終わる。フリーの自己ベスト更新に満足そう。

田中刑事 SP:80.17(14) FS:156.49(12) 合計:236.66(13)
 フェデリコ・フェリーニ・メドレー♪ 青に黒のジャケ、胸に赤い花。日本語の大声援に送られて登場。ほとんど最初から手拍子が鳴る。4回転サルコウ、手をついたが下りる。2本目はきれいに2回転トウループにつなげた 後半の4回転トウループが3回転になってしまい フリップも少し乱れ トリプルアクセル2本入ったのはよかったが。
 大きく動けるステップや、元気よく弾けるコレオはミラノの観客にも受けてたと思う。

マッテオ・リッツォ(イタリア) SP:77.43(18) FS:148.01(17) 合計:225.44(17)
 ビートルズ・メドレー♪ 黒、ゴールドの飾り紐。地元の大声援の中、4回転トウループに挑んでフリーレッグをついたが下りる。トリプルアクセルはもう余裕で2回転トウループをつけられた。ルッツが2回転になって、強引にループ・サルコウ1-3をつけたがこらえきれず転倒。しかし終盤のダブルアクセルを3回転トウループや3回転フリップに変えてリカバリーするしたたかさも
 アピールしまくりのコレオとステップで、会場や一体となる。自国開催の世界選手権、精一杯頑張った。

<G3>
アレクサンデル・マヨロフ(スウェーデン) SP:82.71(10) FS:155.08(13) 合計:237.79(12)
 「Man With the Gloden Arm」♪ 黒ストライプシャツ、前立ての白がアクセント。4回転トウループ、下りた。トリプルアクセル+2回転トウループ、単独トリプルアクセルも決まる。ダブルアクセル+3回転トウループ、トウ・トウ・ループ3-2-2など、ジャンプ構成は男子としては高いほうではないが、丁寧に決めていく。
 ドラムを叩く仕草からのっていくコレオ、深い姿勢のハイドロブレーディングで盛り上がった。

友野一希 SP:82.61(11) FS:173.50(3) 合計:256.11(5)
 「ウェストサイド・ストーリー」♪ 赤シャツ。すーっとスピードにのって、4回転サルコウ、オーバーターンしたが2回転トウループをつける。2本目の4回転サルコウ、きれいに入った トリプルアクセル+3回転トウループ、トリプルアクセル+2回転トウループ+2回転ループも着氷。
 リズミカルな動き、「マリア」で視線から夢見る表情をしながらゆったりと表現、「クール」でまた躍動、最後まできびきびと動いた。
 意識してかどうかわからないが、ターンのとき“顔残し”ができている。会場の全方向に視線や手の動きでコミュニケーションできるのが強み。
 フリーで18点、トータルで24点自己ベストを更新して、この時点でトップに立った。

パウル・フェンツ(ドイツ) SP:82.49(12) FS:148.43(16) 合計:230.92(15)
 「Game of Thrones」♪ 茶系にゴールド。トリプルアクセル+3回転トウループ、4回転トウループが決まる。アクセルでパンクしたが、サルコウに3回転トウループをつけてリカバリー。
 決まるジャンプは高くて見栄えがする。力強いコレオでフィニッシュするとガッツポーズ。トータルの自己ベスト更新。

デニス・ヴァシリエフス(ラトビア) SP:84.25(9) FS:170.61(5) 合計:254.86(6)
 「Put the Blame On Mame」「Anyone to Love」「Sway」♪ ブルーに黒とゴールドのジャケ。丁寧にトリプルアクセル+2回転トウループ、単独トリプルアクセルを決める。3回転トウループを下りてすっと止めるのがユニーク。
 ムーディーなボーカルでステップしていくと、きれいなターンに初々しい色気が滲む。ルッツ・ループ・サルコウ3-1-3など、ジャンプはノーミス。
 曲が変わってノリノリのコレオ、アピールしまくりの振付に観客もきゃあきゃあ コーチのランビエール氏が大喜び、自己ベスト大幅更新

ミーシャ・ジー(ウズベキスタン) SP:86.01(8) FS:163.56(9) 合計:249.57(9)
 マスネー「タイスの瞑想曲」♪ ベージュから薄いブルー。ゆったりした旋律にのって、トリプルアクセル+1回転ループ+3回転サルコウを余裕を持って決める。単独トリプルアクセルも問題なし。
 バイオリンと共に歌うようなステップは、動きの緩急に惹きつけられる。後半ルッツ・トウ3-3など安定、最後のダブルアクセルで少しこらえたのが唯一のミス。
 激しさを増しながら訴えかけてくるコレオ、少し曲に遅れてスピンで終え、充実のガッツポーズ。

アレクセイ・ビチェンコ(イスラエル) SP:90.99(7) FS:167.29(7) 合計:258.28(4)
 レオンカヴァッロ「道化師」♪ ベージュ系、黒手袋。トウ・トウ4-3、単独4回転トウループと鮮やか。トリプルアクセルは少し乱れたが、フリップ・ループ・サルコウ3-1-3など終盤まで頑張る。決まるジャンプの高さが素晴らしい。
 30歳なんて信じられない強さ。

<G4>
キーガン・メッシング(カナダ) SP:93.00(3) FS:159.30(11) 合計:252.30(7)
 チャップリン・メドレー♪ 黒ジャケ。冒頭のルッツで少し乱れ、トウループが3回転に。トリプルアクセル+2回転トウループ+2回転ループは決まる。後半の4回転トウループ、挑んだが転倒。ループも2回転とやや不調。
 コレオシークエンス、少し曲に遅れ気味でいつものキレがなかったかも。

宇野昌磨 SP:94.26(5) FS:179.51(2) 合計:273.77(2)
 プッチーニ「トゥーランドット」♪ 青系にゴールド。4回転ループ転倒、4回転フリップ転倒。しかし、めげない。3回転ループを決め、柔らかなステップ、トリプルアクセルこらえる。4回転トウループ転倒したが、2本目で4-2決めた トリプルアクセル+1回転ループ+3回転フリップ、サルコウ・トウ3-3と最後の3つでコンビネーションを決められる、この強さ
 痛みを抱えてもこれだけできる、並じゃない。

金博洋(Boyang JIN)(中国) SP:95.85(4) FS:127.56(23) 合計:223.41(19)
 ホルスト「惑星」より「火星」/「スターウォーズ」♪ 紺とグレー。冒頭の4回転ルッツ転倒、フェンスにぶつかる。サルコウが2回転に、トリプルアクセル+1回転ループ+3回転はきれいに入った。
 笑顔ふりまくキュートなコレオのあと、4回転トウループでまた転倒してフェンスにぶつかってしまい、その後も転倒が続いて計5回、減点9となってしまった。
 最後のほうは足にきている感じで体が動いていなかった。シーズン最後の疲れがあったか。

ミハイル・コリヤダ(ロシア) SP:100.08(2) FS:172.24(4) 合計:272.32(3)
 エルヴィス・プレスリー・メドレー♪ 黒、胸元は紫。4回転ルッツ挑んだが転倒、4回転トウループは単独に。トリプルアクセル+2回転トウループ決まる。ステップは体のキレもよくて気持ちいい。
 2本目の4回転トウループで転倒、+REPで基礎点を落とした。ループも2回転と、ジャンプがまとまらない。楽しいプログラムなのに惜しい。

ヴィンセント・ジョウ(アメリカ) SP:96.78(3) FS:138.46(19) 合計:235.24(14)
 「ムーラン・ルージュ」♪ 赤Vネック。4種類の4回転に挑むプログラムだが、、、4回転ルッツ転倒はじめ、構成を変えて増やした4回転サルコウも転倒など、ジャンプが危ない。最後ルッツ両手上げ・ループ・フリップ3-1-3を決めたのが救い。
 大きなイーグルのコレオもよかったが、全体にスピードにのれてない感じがした。

ネイサン・チェン(アメリカ) SP:101.94(1) FS:219.46(1) 合計:321.40(1)
 「小さな村の小さなダンサー」「春の祭典」♪ 黒、襟に白。ルッツ、フリップ、トウループ、サルコウ、全部で6本の4回転を着氷。トリプルアクセル、フリップ・ループ・サルコウ3-1-3まできっちり。
 ステップやスピンもレベル4を当然のようにレベル4を揃えてきた。ただ、表現という点では4回転の合間に少しだけという印象。羽生結弦のように「表現の一部としてのジャンプ」という次元には、まだ届いていない。とはいえ、まだ18歳。そこはこれから伸びていくだろう。
 普通にやれば勝てる状況で、しっかり今できることを出しきれたのが良かった。

 結果、優勝はチェン、2位宇野、3位コリヤダ。4位ビチェンコ、5位友野、6位ヴァシリエフス。この6人は来季のグランプリシリーズでシードされる。7位アリエフ、8位メッシング、9位ジー、10位ブレジナ。田中刑事は13位だった。
 来季枠は、アメリカ・日本・ロシアが3枠、イスラエル・ラトビア・カナダ・ウズベキスタン・チェコが2枠。中国、スペインは1枠に減った。
 自分のできることに集中して、最後まであきらめないで、という選手にいい結果がついてきた。一方で4回転を数多く跳ぼうとして転倒を繰り返し、プログラム全体が壊れてしまう選手が続出したのは残念。来季のルール改正でどんな流れになっていくのか。基本のスケーティングがしっかりできる選手が最終的に評価されるようになることを期待している。

 この後はアイスダンス・フリーダンス。村元哉中/クリス・リード、10位以内に入るチャンス、頑張れ


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