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うたしんが今季ジュニアに出る理由

2020年11月15日 14時46分12秒 | スポーツ

 昨季からの活躍で注目を集めている、アイスダンスの“うたしん”こと吉田唄菜/西山真瑚組。ユース五輪や世界ジュニアで実績を残し、今季も西日本選手権でますます洗練されたところを見せてくれている。
 現在17歳と18歳なので、シニアに出場することも可能。ネットでは「まだシニアに上がらないのか」「シニアのプログラムを作ってNHK杯に出ればいいのに」等の声が 今季参入する村元哉中/高橋大輔組のライバルになるから、シニアに上がらせてもらえないのでは?と憶測する声も
 シングルやペアでは、全日本ジュニア上位が推薦で全日本に出場し、年齢基準をクリアしていればシニアの国際大会に派遣されたりもする。しかし、アイスダンスでは難しい
 最大の理由は、ジュニアとシニアでリズムダンスの課題ステップが違うこと。アイスダンスでは、シーズンごとにリズムダンスのテーマ・リズム・課題ステップが決められている。今季の課題ステップは、シニア:フィンステップ、ジュニア:ティータイム・フォックストロット。こちらのブログでわかりやすく説明してくれている。
 ステップの説明(フィンステップ/ティータイム・フォックストロット)を読んでもよくわからないけど、図を見ただけでも、かなり違うらしいということはわかる。うたしん小松原美里/ティム・コレトの映像で、難易度も違うのが見えるだろうか。
 フリーは、シニアのほうが30秒長くなり、技術要素がリフト1つ、コレオグラフィックエレメント1つ増える。リズムダンスよりは楽に作り直せそうな感じがするが、シングルと違って、ただ滑っている時間を入れるわけにいかないので、ちゃんと振付し直すことになるだろう。
 国際大会では、たまに1つのシーズンでジュニアとシニアを掛け持ちするカップルを見かける。昨季ではマリア・カザコワ/ゲオルギー・レヴィヤ(ジョージア)ナタリー・タシュレロヴァ/フィリップ・タシュレル(チェコ)がいた。その国にほかに有望なカップルがいない、シニアでも十分戦える実力がある、等の理由と思われる。
 日本はシニアのカップルが複数組いるので、無理に掛け持ちさせる必要がない。選手たちも、わざわざ負担の大きいことをしたくはないだろう。

 掛け持ちじゃなくて、さっさと今季からシニアに上がればよかったのでは?と思う人もいるだろうが、、、
 シングルやペアでは、シニアに出られる年齢になるとすぐシニアの大会に出て、ジャンプをガンガン決めて上位に入るケースが多い。しかし、ジャンプのないアイスダンスは、積み上げてきたスケーティング技術がそのままスコア、順位に出る。ベテランになるほど高得点が出やすい。
 世界ジュニアでメダルが取れても、シニアの中に入ればまだまだ下のほう。グランプリシリーズに出ても表彰台になかなか届かず、選手層の厚い国なら世界選手権代表にもなれない。というわけでアイスダンスでは、年齢制限ぎりぎりに近いところまでジュニアで実績を積んでから、シニアに上がっていくカップルが多い。
 うたしんの場合、西山真瑚くんはアイスダンスを始めて2シーズン目と日が浅い。2022/2023シーズンまでジュニアに出ることができるから、世界ジュニアでトップ10に入るという目標を達成してからでも遅くない
 また国内では、シニアの大会に出るために合格しなければならないバッジテストがある。吉田/西山組は現在そろってプレシルバーと資料にあるので、まだシニアに必要な級は獲得していないかもしれない。これは、十分な技術があると判定されれば、可能かもしれないが
 調子がいいからそのまま、ではなく、相当の準備と覚悟を持ってシニアに上がるのがいいと、本人たちもコーチ陣も考えているのだと思う。
 
 先が見えないシーズンだけど、日々頑張っている選手たちを応援したい


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