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李國祥

2005年07月19日 05時30分20秒 | 

 懐かしい名前が帰ってきた。
 93年に初めて蘇永康を知る前に、何人かいたお気に入りの歌手のひとり、李國祥。英語名K.C.リー。91年にデビュー、低めの深みのある声で、「餘情未了」などのヒットがある。「餘情未了」元歌のチャゲ&飛鳥をはじめ、日本の曲のカバーが得意だった。96年ごろから表に出なくなり、最近は福祉関係の仕事をしていると聞いていた。
 その彼の名前を、さっきTVBの番組「勁歌金曲」のサイトで見た。「為什麼」が「来週の挑戦曲」(今週、重点的にオンエアする紹介曲)のひとつになっている。試聴してみたら、作曲は五輪真弓とクレジットにある。相変わらず深みのある声で、「~ng」という音の「ng」が長い特徴のある発音も変わらない。元気なんだと思うと、嬉しかった。
 この人の曲を初めて聴いたのは、92年頃。2ndアルバムの先行オンエア「摘星的晩上」だった。きれいな歌詞のラブソングだが、あとで元歌が円広志とわかってびっくり。2ndアルバムがよかったので1stを聴いたら、2ndに比べるとかなり暗~い雰囲気。でも彼の声には合っていた。専門家の評価は1stがすごくよかったらしく、2ndは「1stが芸術的に高い水準だったのに、2ndで妥協してしまった」と評されたが、私は1stの暗い路線を2ndで続けなくて正解と思っていた。
 実際、一作ごとに明るく、若く(?!)、元気よくなって、アイドル系のルックスではないものの、若手タレントに混じってテレビには時々出ていた。プロデューサーは最初は倫永亮が主だった(1stのイントロで美しいピアノを弾いている)が、だんだんほかの若手ミュージシャンも使うようになった。「餘情未了」ヒットの後は北京語市場にも進出していた。
 そんな彼のつまづきは、95年秋に出たアルバムの不振からだったか。運の悪いことに所属レコード会社が香港から撤退を決めた。続いて出した北京語アルバムも、プロモーションが十分にできなかったようで、ヒットに至らなかった(山下達郎の「さよなら夏の日」のカバーなんか、とてもよかったんだけど、、、)。そのまま、彼の消息は聞こえてこなくなった。
 2、3年前になって、ATVのドラマ主題歌に彼の名前を見つけた。少し声が細くなって、長らく歌っていなかった感じだった。ATVで主題歌を歌っていては、TVBでオンエアされることはない(香港ではTV局とタレント・歌手が専属契約をしていることが多く、TVBの歌手はATVに出ないし、その逆もない)。視聴率でTVB一人勝ちの香港では、TVBでオンエアされない歌手は注目されにくい・・・。それでも、歌の世界にまだいることがわかって、少しほっとしたのだった。
 昨年、黄凱芹(クリストファー・ウォン)がコンサートをやるとき、ゲストに出るという噂が出た。「このコンサートは後でVCDを作らない」という宣伝文句(?!)だったので、ちょっと心が動いたが、結局行かなかった。倫永亮と二人で出てきて、“左倫右李”(譚詠麟李克勤の“左麟右李”のもじり)をやったそうで、ちょっと惜しいことをした^^;
 先日、EOLAsiaという音楽配信サイトで、かつて關淑怡(シャーリー・クワン)が歌ってヒットした「一首獨唱的歌」(元歌は中村雅俊の「ふれあい」)が李國祥の歌で配信されていた。さっきもう一度見たら「為什麼」も配信になっている。もしかして、懐メロ系カバーアルバムでも作る計画があるんだろうか? そんな形でも新譜が出たら、嬉しい。
 彼に思い入れがあるのは、つい、蘇永康と比較するからだ。ルックス、スター性ではなく、歌唱力、作品で勝負する歌手が香港で生き残っていくのは、本当に難しい。蘇永康だって、“いつのまにか消えてしまう”危機が何度もあったんじゃないかと思う。いくつかの偶然と何かの違いで、今、彼と蘇永康は大きく違ってしまった(もっとも蘇永康も最近は苦労しているけど、、、)。とはいえ、彼の歌を聴きたい人がいるなら、ほかの仕事をしながらマイペースで歌うのも悪くはないかもしれない。理想とは大きく違うかもしれないが。
 ちなみに、劉小慧と同じレコード会社だった関係で、今でも劉小慧・蘇志威(草[虫孟]のメンバー)夫妻と仲がいいらしい。蘇永康とは、テレビドラマで一度共演したことがある。

コメント (2)
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