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AKB48の旅

AKB48の旅

DOCUMENTARY of AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN

2013年02月05日 | AKB
いろいろ噂は聞いてたけど、全編通して、一度も泣くことはなかった。なかったどころか、ほとんどの時間を、心の中の笑顔で過ごすことができた。唯一泣きそうになったのは、東京ドームのオープニングの部分だったけど、これもそのワンシーンの刹那に、オリメンの歩んできた歴史が、脳裏を駆け抜けたからであって、映画そのものが涙を誘うことはなかった。

内容についても、私的にはすべて既知のものだったと思うし、初公開のシーンなんかもあるにはあったけど、そのすべてが「想定内」に収まっていた。つまりは、すべて終わった過去、振り返って感傷に浸るまでもないものであり、既にしてAKBは遙かな未来へと疾走してることを、私は知っている。だからこそ、映画を見ながら、ずっと心の笑顔で居られた。AKBって楽しい。

感想を超えて何かを語るとして、はてさて何から書けば良いか迷うけど、まずは総論的に、ドキュメンタリーって難しいな、あたり。高橋栄樹監督は、AKBという巨大な物語に飲み込まれたな、そう感じた。前作の"SHOW MUST GO ON"では、監督の目線とAKBの間に距離が感じられた。それはドキュメンタリーとして適切な距離感とも評価されてたと思うし、私が理解するところのAKBというものとの間の齟齬でもあり、宇多丸さん的表現だと「残酷ショー」的な編集意図でもあったと思う。

今作はそれがない。ないどころか、監督の編集意図のようなものが見えなくなっており、ストレートなAKB物語がトレースされるだけになっていたように思う。距離がないダイレクト感とでも言えば良いんだろうか。監督の影がどこにもなくて、AKB物語がそのまま、リアルとして投げかけられてくる感じ。その意味するところは、監督がAKB物語をリアルのガチと了解した、つまりはこちら側に落ちたということなんではないか。

けれども同時に、これは反転関係になるもう一つの立場というか視点、つまりは、こうして四の五の書いている私自身、私自身がAKB物語に飲み込まれた、その結果の疑似内的目線による「偏見」ともとれるのかも知れない。そこは何とも分からない。

結論的なものを無理矢理書いてしまうなら、映画として見るなら、本作はぜんぜん面白くないかもしれない。けれども、AKBのドキュメンタリー、AKBのリアルにして内的物語を語っているという点では、これほど面白いものはない。実存としてのAKBの面白さは真っ正面から伝わってくるのであり、それがドキュメンタリーとしてどうかは、また異なった判断基準になるんだろうと思う。ドキュメンタリーのメタ化なんて意味不明なことでも呟いてみて、以下自粛。