ベラの仲間はその鮮やかな色彩から観賞魚として人気があります。観賞魚として流通するもののほか、磯で自分で採集することができるものもあります。
コガシラベラThalassoma amblycephalum (Bleeker)もそんなベラの1種。ニシキベラ属の魚で、飼育しやすい魚です。
ニシキベラの仲間は日本から9種がしられ、沖縄に行かずともすべての種類が南日本太平洋側で見られます。ニシキベラをのぞいてすべての種が熱帯性。磯やサンゴ礁域によくみられ、成魚は釣りの外道としてもよく知られている魚たちです。
コガシラベラは日本では太平洋側の潮だまりで見られる普通種。大きくなると20cmになります。雄型の成魚は鮮やかな紫色が出て驚かされます。この個体は和歌山の防波堤で採集しました。
コガシラベラの幼魚は、薄い緑色の体、暗色の縦帯とそこから伸びる細い横帯があり、尾柄部に橙色斑があるという綺麗な色彩です。眼も大きくかわいらしいものです。
飼育のポイントとして、ニシキベラの仲間はよく泳ぐため、遊泳空間を確保してあげるとよいと思います。もちろん、岩組で隠れ場をつくるのもお忘れなく。ニシキベラ属の魚はキュウセンと違い、砂に潜るのではなく岩の中で眠ります。
ほかの魚との混泳ですが、協調性はあります。チョウチョウウオ、小型ヤッコ、クマノミ、ハゼ、ベラ、ニザダイ、アイゴ、など様々な魚と組み合わせることができます。ただし甲殻類との混泳は気を付けるべきです。やはりベラなので甲殻類は大好きです。
大型魚との混泳は、細い魚なので大きな魚のえさになる可能性もあります。フグ、カサゴ、ハタ、大型のベラ、モンガラカワハギなどとの混泳は薦められません。
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