一陽来福  ~齋藤一陽による截金の日々~

伝統工芸。截金職人齋藤一陽が、日々の物創りの様子を紹介します。

平等院鳳凰堂。平安期のガラスに截金。

2011-12-16 02:00:59 | よきもの
東アジア最古?
平安後期。
平等院鳳凰堂、阿弥陀如来坐像の台座より

ガラス容器に截金の装飾が発見されましたー



この秋。記事が出たとたんに、周囲から沢山のご連絡をいただきまして^^ありがとうございます。
なんだか新聞の切り抜きやら、メールやら沢山頂戴いたしました♪

一陽は偶然にも、博物館で平等院ミュージアムのチラシを見つけていまして、話題の数日後には早速駆け足で、平等院までとんできました~(平等院てなに?っていう方は、10円玉をご覧くださいね^^)




平等院鳳凰堂に佇む阿弥陀さまは、台座の上に座しておられますが、その解体が行われた際に発見されたようです。
容器はおそらく、舎利容器(仏舎利とは)ではないかということです。
やはり截金は荘厳としての役割なんですね。

ガラス容器自体はどこの地域・国でつくられたかは不明ということですが、日本の可能性ももちろんありますが、中国・宋のものに類似の点が多くみられるようです。
文様も、私は見かけたことないです~天蓋の瓔珞でもあらわしているのかな?
大変おおらかで、大陸を思わせる模様ですが、截金の装飾は日本で施されたのではないかということ。。

当時金箔を、どのようにガラスに接着していたのでしょうか?
復元品は、膠で接着のうえに漆をかけていました。
工程の映像が流れているのですが、截金は素人の方のようで(本来は蒔絵師さんかな?)、たどたどしい感じが何ともほほえましかったです(笑)


左が復元品

今回は同じく発見された玉(ぎょく)も、天平・平安期のものと出展されていて、成分検査され、その鉛の含まれ具合の違いなども記されていて、大変興味深かったです。

私は截金師であって、あまりガラスには詳しくないのですが、以前骨董市(玄人の)に出かけ、江戸期の本物のガラスをその手にとって拝見したときのこと、あまりの繊細さと色の美しさに忘れる事、できません。

近頃では、地球の為に良くないということで鉛入りのガラスは制限されているそうです。
みただけでは分かりませんが、風鈴などを思って頂けると如実に現れているので、わかりやすいと思います。

昔の風鈴て、チリ~~~んんん。。。と、音がとても伸びやかでは無かったですか?
余韻がいつまでも耳に響いたものです~

そして最近の風鈴は、チン。りん。といった感じであることがほとんどだと思います^^


目にはみえにくいことではありますが、実はこのように大きく違っているのです~




この度の発見は、平安末期の優美な截金を目指している一陽には、大変喜ばしいことでした。


そして!ガラスに截金という、着目点もやはり間違っていなかったーー!!

と、殊更に嬉しいのでしたー^^

ガラスに截金を思いついたのは、いつの事だったか。。
2005年には、とんぼ玉をちょこっと習ってみたりして、一たび頓挫していましたが、2006年にガラスフュージングというものに出会い、ほそぼそとここまでやってきたのでした。


何て気の長い。。みんなもっとてきぱきやっているんだろうけれど、私はのんびりとしか出来ないんだし、これでいいや~
これからも、コツコツとやっていこうと思います^^




着付け教室をはじめたお友達たちがリンクを貼ってくれました。
ふあふあくらぶ 奈良の生駒で着付け教室・苔盆栽・パン教室

京女さとこはんは一陽の帯留めを身近に実際に使って下さっています^^
記事で紹介してくださいました。ありがとうございます。
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