一陽来福  ~齋藤一陽による截金の日々~

伝統工芸。截金職人齋藤一陽が、日々の物創りの様子を紹介します。

花の眠る場所。~紫陽花の章~

2011-06-24 16:22:29 | 花の眠る場所。
五月雨落ちて


花つよく 

いろも 匂いも 立ちにけり

四葩(よひら)の玉に 星も住みける



ほの暗い露の中に

或は薄闇にこそ、
その存在をつよく知るのは、とても不思議な感じがする。



匂うという言葉は、香りではなくて色を精彩に美しく映える様子のことをいったのだという。古代日本人は、色の精彩さを匂うと表現する感覚を持ち合わせていたそう。

ほの暗い雨の日
山に咲くつつじの色の美しさや、
薄闇の中。不思議にも花の気配をとても強く感じて、
どこにあるのだろうと探してしまう。
単純に雨や薄暗さで、五感が自然にいろんなものを探ってしまうのだろうと思うけれど、

その時
花をひときわ美しく感じるのも事実だ。。^^


桜の章でもでてきたけれど、古代日本人は概して花の散るのを惜しむ。
そしてその反対の理由から、花と実が永続的に保つことを深く望み。花と実が長く着く木は長寿を祝うとして貴ばれた。

稀の木が古代、目出度いとされたのも同様で、「非時(ときじく) の香(かぐ) の木の実」が、何時までも枝から落ちずに留まっている姿に起因しているそう。

花や実の早く散るのが美しいか、長く保つのが良いかは、今ならば趣向ですむことであるけれど、
古代人にとっては、そうもいかない。
花や実、自然からの魂の囁きを聴いていたのだろうから。


そういう意味で、万葉の頃、いつまでも花を落とさぬ紫陽花もまた、縁起のよい花とされていた。
平安になると、四葩・よひら(額紫陽花)は夜をあらわし、少し寂しい印象をうける。
近年には、その色の移ろいやすいことから、あまりよい印象を受けない花でもある。

時と時代により、花のありかたが変わってゆくことが、興味深くもあり、
忘れさられてしまうのは、どこか少し寂しい。。


昔のことであっても、知っておくくらいいいじゃないかー^^と思い。
ボツボツと描き記していくつもりです~



着付け教室をはじめたお友達たちがリンクを貼ってくれました。
ふあふあくらぶ 奈良の生駒で着付け教室・苔盆栽・パン教室

京女さとこはんは一陽の帯留めを身近に実際に使って下さっています^^
記事で紹介してくださいました。ありがとうございます。
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