一陽来福  ~齋藤一陽による截金の日々~

伝統工芸。截金職人齋藤一陽が、日々の物創りの様子を紹介します。

お道具考

2007-03-21 21:21:10 | お道具考-截金工程を探る-
兼ねてから。鹿皮でなく箔盤は作れないものか?と考えておりました。

金箔を細く切る為の箔盤は、春の子鹿の首の皮が良いとか(;_;)
箔盤を作るのに、一頭分の子鹿の命なのです。


最近。とても丁寧なお仕事をされている、表具屋さんに出会いました。
今時は機械表具などが普及されたり、手仕事でも随分な荒げたなそうです。
良いものは、時を生きていきます。時の中で姿を変え、味わいを出してゆきます。
けれども機会表具なんて、僅かな時間にゴミです。
皆さん、知ってか知らずか安い方が良いそうなのです。そして、本物の職人さんは絶えてゆきます。
そんな中。不屈の精神でお仕事されています。


表具には実に色んな紙を使い分けているそうです。江戸時代の和紙も使っておられました。
しかし近年に近づくにつれて、紙は切れやすくなっているのです。
考えてみると可笑しくなって。
今時の人はまるで進歩でもしているかのように思っているけど、実に衰退していて、日本という国は技も伝統も失ってゆくつもりなのでしょうか?

こんなちっぽけな私ですが、ありがたいことに力をかして下さる方もいて。
大げさですが、私の生涯は截金に。
そんな覚悟を決めています。


話は戻りますが、そんな素敵な表具職人さんから、色んな紙の切れ端をいただきました。
感触から、箔盤に使えそうな紙がありました。
これから色々試しでいきたいと思っております。


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