四季の武蔵野

次第に失われつつある、武蔵野の「現在」を記憶に留めるため、このブログを開設しました。

夢のような・・・

2008-07-17 20:12:41 | 雑記

最近、物の値段が上がっています。

原因は主に石油や穀物といった原材料の異常なまでの高騰が、末端の小売価格を押し上げているのです。
かといって小売側としても、原材料の高騰分をストレートには小売価格に転嫁できません。物価は上昇しても、私たちの賃金は簡単には上がらないからです。
安易な値上げは消費者の購買意欲を奪うばかりだからです。

原材料の高騰分が小売価格に反映されない。・・・このジレンマは生産者に大きなしわ寄せを与えました。
先日行われた漁業振興協議会のストライキなどはその良い例です。

このままでは生鮮食品や農作物といったあらいる食材が、われわれ日本人の口には入らなくなってしまうかも知れません。
また化石燃料の高騰は、天然資源の少ないわが国には壊滅的な状況を生じさせるでしょう。

この危機的状況を打開する何か良い手立てはないのでしょうか。
そう思っていると、先日テレビで画期的な新技術を目にしました。資源の少ない日本が、今後食料不足・エネルギー不足の世界で生き残っていくには、こうした新技術の開発以外には有り得ないと痛感した瞬間でした。

それはCAS冷凍という技術です。

CASとはCells Alive System 。「細胞が生きている」という意味です。従来の冷凍法では、冷凍したときに食品の細胞を壊してしまうので、解凍したときには食品の鮮度を落としたり、味覚を落としたりするものですが、この新技術を用いますと食品そのものが「生きている」ままで冷凍されますので、そういった劣化が一切ありません。
その上、2年経っても3年経っても新鮮さは冷凍前と変わりませんから、「賞味期限」という概念すら、そこでは通用しなくなるのです。

CAS冷凍では、食品を冷凍する際に微弱な電磁波をかけ、水の分子を振動させることによって、水分子の氷結晶化を抑え、その結果細胞の破壊を阻止するのだといいます。

そのTV番組では数年前に冷凍した刺身が、たった今捌いたのと同じ状態で食卓にあがるところを紹介していました。またスタジオでは、CAS冷凍した揚げたての餃子を解凍し、解凍前と変わらないパリパリ感があるところを放映していました。
一流のシェフやソムリエが冷凍された食材とは気が付かずに、天然素材だと信じて料理をしている姿にも驚かされました。

まさに信じられないような話です。それが本当なら正に夢のような技術です。
食品の新鮮さが失われずに何年も置いておくことができるので、例えば漁が可能な時期に大量の魚を獲っておき、不漁の時にはその分を放出するという使い方も想像できますし、賞味期限切れによる食品の不良廃棄問題も解決します。

日本人は追い詰められればられる程、その稀有の能力を発揮する民族です。この未曾有の危機こそ、われわれ日本民族の本来の力を発揮し、必ずやこの危機を乗り切れるものだと信じて疑いません。
そのためにも、政府としても役に立たない道路や公共事業に予算を使うのではなく。こうした新技術の開発・普及にこそ投資すべきではないでしょうか。



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