ブログ・リバーサイド

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

曜変天目茶碗

2017-01-25 15:50:45 | 日記
大変遅くなりましたが、今年もよろしくお願いいたします。

新年明けて、なるべく早くブログ更新をしなくては、思っていたのですが、税理士事務所は1月はなかなかに忙しく、ズルズルと来てしまいました。

本年一発目のブログ題材は何にしようか考えていたのですが、気の利いた題材が浮かばなかったので、いつも通り、興味がある題材で書かせて下さい。

ということで、今回は、昨年12月20日に放送された「開運!なんでも鑑定団」で番組市場最高の発見!とされた「曜変天目茶碗」について書こうと思います。

私も詳しくはないので、この機会に色々調べてみたりしたことを書いてみようと思います。


まず、曜変天目とは、約800年ほど前に、中国の福建省で作られた茶碗で、なんでも、10万個の器を一気に焼いて、その中で、曜変天目の模様が出来る個数は数個程度、と、正に奇跡的に生まれる模様のことで、完全な茶碗としての姿を残して今まで残っているのは、これまでは世界で3つだけと言われていたそうです。
その模様の美しさから、宇宙を表現した模様という人もあったり、その宇宙を何とか現代でも表現できないかと、一生をかけて曜変天目を研究する人もいたりする程です。
現存する3つがなぜ本場の中国に一つもなくて、全て日本にあるのか、という謎もありますが、
一説には、曜変天目の製作者は一人だけしかいなかったのではないか、という説もあるようで、中国の伝統では、職人や芸術家は自らの特殊な製法、技法は、一子相伝で受け継がれていくものであり、
子供がいない場合や、伝える前に亡くなってしまった場合はそこで伝統は途切れてしまう、という理由があるのではないか、という意見もあるようです。


日本でも、古くより時の権力者から珍重され、これまで世界に3つだけしか存在しない、と言われてきたその三つは全て国宝に指定されており、
その中でも特に最高傑作とされる、「稲葉天目」と呼ばれる茶碗は、徳川将軍家所蔵だったもので、大正7年に売買された時の価格は16万8千円だったそうです。
そして、その金額を現在の価値にすると、なんと16億8千万という価値になるそうです。
その後、1934年に三菱財閥総帥の岩崎小弥太が購入したそうですが、岩崎は「天下の明記を私如きが使うべきでない」として生涯使うことは無かったそうです。
このように、庶民の私には想像もつかない価値のある茶碗なのですが、今回、その4点目がお宝鑑定団で発見された、とのことで、私も放送を楽しみに見ていました。


なんでも、今回発見された茶碗は、徳島県に住む依頼人の曽祖父が戦国大名の三好長慶から買ったもの、とのことでした。
三好長慶といえば、足利将軍家を意のままに操り、全盛期には「日本の副王」と呼ばれる程の絶対的な権力を持った人物で、茶碗の由来としては申し分なく、ワクワク感が高まってきます。
で、いよいよ、その茶碗をミスターお宝鑑定団、「いい仕事してますね。」でおなじみの中島誠之助さんが、「曜変天目に間違いございません!」と太鼓判を押し、
値段が2,500万円!とつけられたわけですが、先ほどの16億8千万円と比較すると、なんかものすごく安く感じてしまいます。
疑問に思ったので、色々と調べてみると、相続税の配慮から、生前贈与で特別控除が出来る「相続時精算課税制度」の限度額が2,500万なので、ここからきているのでは、という意見もあったり、
依頼人の身の安全から安めの値段にしたのでは、という意見もありました。
さらに、その後、この茶碗の真偽について多方面からいろいろなコメントが寄せられているようで、
天目茶碗の研究家たちが「これは曜変天目ではなく、どう見ても中国の商店街で売っているまがい物にしか見えない」と言っていたり、
中国陶磁器考古学の世界的権威の方が、「実物を見ていないのでその点は不正確ですが、映像を見た限りでは本物である可能性は低い」との見解を述べたりなど、当分の間、この論争は続きそうな気がします。
また、鑑定した中島誠之助さんもなかなか苦しい立場となってしまいそうです。
骨董鑑定の難しさ、というものを感じた放送回でした。


また、この放送をみて、「沙高樓綺譚」(さこうろうきたん)という浅田次郎の本を思い出しました。
この本は短編集が集まってできている小説で、とてもミステリアスな雰囲気が漂う小気味良い本です。
そのなかの、「小鍛冶」という話がありまして、傑作、世紀の発見とも呼べる程に素晴らしい日本刀が、日本刀の鑑定で最高の権威を持つ鑑定所に持ち込まれ、
本物か贋作かを数人の権威が意見を出し合って、評議し、その結果、本物との鑑定が下るのですが、その後の科学鑑定の結果、実は古刀を模して現代で作られたもので、
その製作者はほくそ笑む、という話(あいまいな記憶の為、間違っていたらごめんなさい。)なのですが、何やら今回のお宝鑑定団の話と似ているような気もします。
専門家でも判断を誤ることもあれば、逆に、本物であるのにも関わらず、専門家の判断で贋作とされた、その判断でこの世から無くなってしまったものもあるのかな、等と思ったりします。
今後の天目茶碗の話の行方がどうなっていくのかが楽しみです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿