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ガマの油(映画)

2009-06-28 20:47:00 | 映画
(C)2008「ガマの油」製作委員会

今回の記事は『ガマの油』(2008年、監督:役所広司)です。
あの役所さんが監督を務めた心温まるファンタジー・ドラマです。
不思議で悲しいのに温かい素敵な映画だったと思います。

■内容紹介 ※goo映画より
1日で億単位の大金を動かすデイトレーダーの矢沢拓郎は、プール付きの豪邸に気立てのよい妻・輝美と心優しい息子の拓也と暮らしている。
ある日、少年院から出所する幼なじみのサブローを迎えに行った拓也の身に思いも寄らない出来事が起こる。
悲しみの中、拓郎は拓也の恋人・光と携帯を通じて親しくなるが、光は拓郎を拓也だと勘違いしてしまう。
拓郎は光に真実を告げられないまま拓也のふりを続けるが…。

僕がいなくなった 親父が大人になった

「ありがとう」「さようなら」
「愛してる」


ガマの油

ガマの油


■感想
役所広司さんというと、僕が大好きな映画監督・黒沢清作品には欠かせない存在です。
さらに役所さんは、日本の俳優陣の中でも世界的に評価の高い役者さんです。
コミカルからシリアスまで独特の個性で演じる役所さんはすごいと思う。
そんな役所さんの第1回監督作品、これは観ないわけにはいきません。

『ガマの油』はとても不思議な感じのする物語でした。
出てくる人たちもみんな個性的で濃い濃い。
けれど誰一人、この映画の中では浮いてはいない。
また、描かれる話はそうとうに悲しい話なのですが、ユーモア溢れるストーリー運びなので、決して暗さを感じません。
変に青臭いでもなく、バカバカしくもなく、重くもない。
何と言ったらいいのか分からない絶妙で不思議なこの配分はさすがです。
そして観終わった後にあるメッセージが確実に心に残る。
とても素敵な作品だったと思います。

役所さんが演じている拓郎は、そうとうに個性的な人物で強烈!
デイトレードで稼いで、「どんなもんじゃい!!」と叫ぶ拓郎のキャラはすっごい濃い。
けっこうに身勝手で子供っぽい性格の拓郎は、最初の方の拓也とのやり取りではどっちが大人なんだか分からない。
そんな彼が次第に父親らしく変わっていきます。
ちょっと荒んだ感じのこの真っ直ぐな男、すごく好きになるな。
「悲しいときには笑うんだ」
とか、セリフのひとつひとつが胸に突き刺さって深い。
これは役所さんじゃないと演じられません。

拓郎の息子・拓也役の瑛太さんもすごく良かった。
実はこの映画での拓也の出演シーンはとても少ない。
けれど、役所さんに負けないぐらいの存在感が最後まで残ります。
それはきっと、誰もが彼を好きになり、そっと記憶に留めるからなのだと思います。
短い出演シーンながら、映画最後に優しく伝わってくるメッセージの重要な一片を担った忘れ難い役です。
父親をおんぶする幻想的なシーン、すごく感動的でした。
これは今年観た映画の中でも屈指の名シーンのひとつに入るかもしれない。

拓也の恋人・光役の二階堂ふみさんも良かった。
ここまでどストレートに真っ直ぐな娘、今時そうはいないです。
荒み度ゼロパーセントのこの娘は、映画にひと味違った魅力をしっかりプラスしている。
拓郎と光との携帯の着メロはお互いに強烈で何だか可愛いです。

拓郎の妻役の小林聡美さんもこの映画にはなくてはならない存在です。
拓郎を見守るしっかり者の奥さん役を、さばさばした感じで絶妙に演じてます。
彼女が出てくると安心感を感じるから不思議。

拓也の幼馴染み・サブロー役の澤屋敷純一さんも素朴な感じが可笑しかった。
中盤以降のシリアス・コミカルな不思議なストーリー展開は、彼と役所さんの掛け合いなしでは作れなかったと思う。

この映画は観終わった後、絶対に温かい気持ちになれます。
最後に父親となった拓郎が、光にあるメッセージを伝えます。
それは人の死に対するある考えですごく優しい。
残された人を孤独から救う素敵なメッセージだったと思います。

↓以下ネタバレ反転(拓郎のメッセージに自己解釈を加えた内容です)
拓郎のメッセージによると、人は二度死ぬのだそうです。
1回目は肉体を失った時で、2回目は残された人の記憶からその人が消えた時。
つまり残された人が大切な思い出としてその人を忘れないでいれば、その人はずっと生き続けるのだということです。
これってとても優しい答えだと思います。
別れの寂しさを優しく消してくれる素敵なメッセージです。

映画中に度々登場するガマの油売り。
彼は拓郎の子供の頃の思い出で今は生きてはいないのかもしれない。
けれど拓郎が思い出として忘れないでいるので、今も彼の記憶の中では時間を越えて生きている。
そんな拓郎の実体験が、最後の光へのメッセージへと繫がったのだと思います。

人の死は悲しいけれど、今も記憶の中では彼らは笑顔でいるのだと、大切な人の存在を感じれば、寂しさはきっと消えてくれる。
最後の仏壇のラストカットはそんな想いでいっぱいになり、しんみりと温かい気持ちで満たされました。


映画データ
題名ガマの油
製作年/製作国2008年/日本
ジャンルドラマ/ファンタジー/コメディー
監督役所広司
出演者役所広司
瑛太
二階堂ふみ
澤屋敷純一
小林聡美
八千草薫
益岡徹、他
メモ・特記特になし
おすすめ度★★★★
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)

■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+⇒ガマの油 - goo 映画

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