(C)1999浦沢直樹 スタジオナッツ/小学館 (C)2008映画「20世紀少年」製作委員会
今回の記事は『20世紀少年 第1章』(2008年、監督:堤幸彦)です。
浦沢直樹のベストセラーコミックの実写映画化。日本映画史上空前のスケールで製作された映画だそうです。
これを観ずして2008年の邦画は語れない!?
■内容紹介 ※goo映画より
ロックスターを目指していたが、今は実家のコンビニを継ぎ、失踪した姉の子供を育てているケンヂ。
同窓会で会った旧友から、「ともだち」と呼ばれる教祖が率いるカルト教団が、ケンヂが子供時代に作った「よげんの書」とそっくりの怪しい事件を起こしていることを聞く。
その後、仲間の1人だったドンキーが殺され、事件の謎を解こうとケンヂは立ち上がるのだが……。
世界が終わろうとしています。
ぼくらの“ともだち”によって──。
■感想
原作は22巻+完結編(上・下)2冊の浦沢直樹のベストセラーコミック。
それを総製作費60億円をかけ3部作として実写映画化したのがこの映画です。
60億円!
邦画でこの製作費は破格の金額。
1作につき興行収入20億円(これで最低線)を超えない限り大赤字確定の大冒険。
映画の成功の目安は製作費の3~4倍の興行収入ということを考えると、もうがんばってくれとしか言えない。
3部作を合わせて日本歴代最多の興行収入の千と千尋(304億円)を超えろ!
(…無理かなぁ)
漫画の実写映画化は大コケすることが多いイメージがあったんですが、最近の邦画を考えると案外そうでもないのかもしれない。
デスノートは大ヒットでしたし、僕は観てませんが鬼太郎もヒットしてたように思う。
だから20世紀少年もヒットするのかもしれない。
映画『20世紀少年 第1章』を観終えた率直な感想は、「よく出来ていた」です。
よくここまで大人子供時代共に原作のイメージに近い役者さんをそろえたなと感心せずにはいられません。
(オッチョ役のトヨエツとキリコ役の黒木瞳さんは意外な気もしましたが)
加えて、原作に忠実に本当に丁寧に作りこまれていました。
これなら原作ファンもきっと納得していそう。
それから漫画よりも実写映画の方が良くなっていた点もあります。
それはストーリー構成。
原作は、ストーリーが盛り上がってくると決まってシーンが切り替わります。
とにかく話があっちこっちに飛んで、読み返しながら読まないとストーリーについていくのが困難だった記憶があります。
それが実写映画の第1章を観る限りではそんなことはなかった。
ケンヂだけを主人公に据え、少年時代と大人時代を上手い構成で混ぜ、ストーリーが進んでいたと思います。
分かりやすかったです。
頼むから第2章もこんな感じで撮って下さいね。
第1章は想像以上に良い出来でした。
が、実写映画の正念場は実はこれから。
第2章からは主人公はケンヂからカンナに変わります。時代も20世紀から21世紀に。
魅力的な主人公ケンヂの活躍が見れる第1章で描かれていた部分は原作においてもトップクラスに面白かった部分です。
だから第1章が面白いのはある意味、当たり前。
問題はここから先。
ともだちの陰謀と謎に迫っていくここから先の展開は難解さを増していく。
ストーリーのぶっ飛び度も増していきます。
登場人物も老ける。
原作通りの結末が一般の人に受け入れられるかどうかも大いに疑問。
ああ、心配な要素が多い。
…けれどきっと大丈夫。
エンドロール後のミニ予告を観る限りだと、遠藤カンナの外見がこれいじょうあるのかってくらい原作とそっくりだったし(ただしイメージは違う)、トヨエツも
(原作のショーグンの変わりように大ショッキングを受けた人多数…、慣れれば平気です)
期待を込めて、来年公開の第2章を待っていましょう。
映画データ | |
---|---|
題名 | 20世紀少年 第1章 |
製作年/製作国 | 2008年/日本 |
ジャンル | ドラマ/アドベンチャー/サスペンス |
監督 | 堤幸彦 |
出演者 | 唐沢寿明 豊川悦司 常盤貴子 香川照之 石塚英彦 宇梶剛士 生瀬勝久 小日向文世 佐々木蔵之介 佐野史郎 竜雷太 石橋蓮司 中村嘉葎雄 黒木瞳、他 |
メモ・特記 | 原作:浦沢直樹『20世紀少年』 |
おすすめ度 | ★★★★ |
■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+⇒20世紀少年 - goo 映画
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コメント返すの年越しちゃいましたね。こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
映画『20世紀少年』はキャスティングが良かったですよね。原作のイメージにホントに近かった。
3部作にまとめられているので、原作のエピソードカットはやっぱりあるんですが、むしろそれを活かすようにわかりやすく構成されていて良かったと思います。
漫画をここまで上手く実写化できた作品って他には無いかも。
やっと本作を観る気になりました。
どうも原作のファンですと、映画化されたものに
自分の原作で描いていたイメージを重ねてしまうものですから、
中々観れませんでした。
原作との違いに幻滅する映画が結構多いので・・・。
で、この作品は良かったです。キャラもほぼイメージ通りでしたし。
しかし、よくコミックのキャラに近い俳優を見つけたなという感じですね。
ストーリー展開も今までになく楽しめましたし、
遅まきながら、これから一気に観ようかなと思っています(苦笑)。
でも、ネットレンタルは中々来ないのが欠点・・・
ちょっと待たないと(泣)。
ichi-kaさま、
今年一年お世話になりました。
あまりお邪魔できずにすみませんでした。
また、2010年もよろしくお願いいたします。
この映画は本当に丁寧に漫画の世界が実写化されていたなと思います。中途半端なのではなく作り込もうという意気込みが強く感じられました。
デスノートのようなサプライズのある結末も面白かったけど、忠実に漫画の世界を再現する映画も良いですね。
>ますびさん
はいはい、上出来でした。よくここまで上手に実写化できたなぁと思ってます。
興行収入は映画の世界につきまとう厳しい現実ですね。興行収入によっては続編が見送られたり、逆に予定されてない続編が作られたり…。20世紀少年にはこのままのいきおいで第3章までいってもらいたいですね。
そうそう
原作より話がいきなりぶっ飛ばなくて
観やすい出来になってましたよね
心配なのは
第一作の興業成績によって
自作以降の費用などが
抑えられてしまわないか、というところ
私は原作を最終巻までみてないので
3章までわくわくです
ひとことに書かれたとおり、観に行って来られたんですね。
私は原作を読んでいないのですが、映画館に置いてある漫画キャラと、実写の写真の建て看板を見て、かなり実写のキャラの作りこみが成されたなぁと思いました。特に、子役が。
第2章には、「レッドクリフ」とは別の、子供心がワクワクする感じの楽しみあります。
どちらにしても、共に早く観たいです。