冷凍都市通信

映像を中心に都内で活動しているアイスマンの通信

学校1,2

2016-01-19 11:46:13 | movie
2016年になったことだし、これからは出来るだけ毎日ブログ書こうと思っています。

まぁ内容が薄かったり、意味や文章が不明な部分は多々あるけれど

やはり日々の継続が力になるということを身をもって体験して行こうと思った次第なわけで。。。

ということで今回は映画の回です。

言わずと知れた映画界の巨匠、山田洋二監督の『学校』のシリーズ1と2。



点数的には☆☆☆☆です。

ストーリーについて今更解説はなしで個人的に印象に残ってることを書き記そうと思います。

なによりも西田敏行演じる主人公の黒井先生が古き良き日本人臭さ爆発で最高です。

その他にも豪華な顔ぶれで今の映画界を代表する人たちばかり。

若い萩原聖人、永瀬正敏なんか熱い感じが最高だし、

北の国からシリーズおなじみの田中邦衛、いしだあゆみ、吉岡秀隆、竹下景子なんかも味のある演技でいい。

そんな豪華な面子でも真ん中に西田敏行がいることによって見事に感動作をまとめる力になっている。

この映画の中に悪人はいないです。見事にそれぞれが人間味溢れるキャラばかり。

すぐにでも脇役たちのサイドストーリーが作れるだろうと思うほどキャラが立ってます。

逆に西田敏行演じる黒井先生は熱くて感動しやすくちょこっとバカなキャラ。

しかしこの主人公の持つ圧倒的な父性とユーモアさは映画の芯をまったくぶらすことなく、

日本人の根底に潜む戦後以降の貧しさから立ち向かう底力みたいなものを映し出しているように感じます。

まるで「オオカミこどもの雨と雪」の母親役の「ハナ」のように圧倒的な愛によって映画全体、

しいては視聴者全体を包み込みます。

感動させようという演出よりも、この全体を覆う日本という国の温かさすら感じる空気感が最高ですね。

あとは現代の映画では描かれにくくなっている本当の日本のストリート感。

最近では綾野剛が主演した「そこのみにて光輝く」なんかが近いものをもっていると感じました。

とはいえあそこまで薄暗い感じは不幸な感覚を連想させてしまいますが、

「学校」では昭和の当たり前の存在していた格差社会や差別問題が生活の一部としてありありと表現されています。

僕らの子供時代に感じていた閉塞感と逆説的ですがそこから生まれる安堵感。

特に生まれも育ちも西多摩のほうに色濃く感じられるこの空気。

貧困でもないが裕福でもない。職種を簡単に選べるほどの余裕はない。

その小さな世界の中で起こりうる問題。

戦後を乗り越えた日本のリアルなゆとりあるストリート感がそこにはあります。

その微妙なニュアンスを山田洋二監督は見事に描ききっていると思います。

リアルなストリート感。ノスタルジック満開です。


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