謝状

　沖縄出身の知人から戴いたちんすこうで抹茶を頂くのがこのところのホッと一息タイムの流儀となっている。別にだらけた生活に喝を入れるため精神一到するほどでなく、しゃかしゃかと気安く点てる。お茶教室で師匠にあれこれ手足の上げ下げ、眼の置き所まで注意される窮屈さがないのがいい。心静めて緑の湯気を鼻腔に漂わせていると、人間の到達点に一歩近づいた気になる。
　孫に誕生日プレゼントしたインスタントカメラプリンターで撮った写真がＬＩＮＥで送られてきた。この春中学に進学しただけあって、凛々しく逞しく優しそうに育っている。母親にあたるわが娘には、上手に育てて親として立派だと謝状を送った。こっちはこれでほぼ人間の役割を達成したようなものである。あとは酒を飲んで気楽に過ごそう。と思っているのに、最近どうも両脇の肝臓辺りが重苦しくていかん。先月下旬に元勤務先ＯＢ会で飲んで以降、1日を除き断酒している。月末に仙台・松島旅行で再会を約束しているのに、飲めませんでは済まないし、合流できずに倒れていてはなおイケない。天然自然流の生活信条にもやや軌道修正が迫られてきた。最後の一周に差し掛かったかなと思って、跡を振り返ろうとしても記録にとどめる何のエポックも無かったことが、今頃になって悔やまれる。

喰ひ繋ぐ 勤めの合ひ間に 養ひし
子が子を育つ してやり足らず