2024/11/08放送
「世の光」の時間です。いかがお過ごしですか? 板倉邦雄です。
今日は「訴える口実」という題でお話ししましょう。
「目的のために手段を選ばない」ということばがあります。ヨハネの福音書8章からは、イエス様を最高裁判所に訴える口実を得るために手段を選ばない策略がなされます。ヨハネの福音書8章に入ります。
さて、イエス様はいつものように朝早くオリーブ山で祈った後、神殿に来られました。
すると巡礼者や礼拝者たちがイエス様のところに集まって来たので、イエス様は座って彼らに静かに教えておられました。するとそこに旧約聖書の専門家である律法学者たちやパリサイ派の人たちが姦淫の現場、すなわち不貞の現場で捕まえられた女を引っ張って来て群衆の真ん中に立たせたのです。
どうやって男女の密会の現場を見つけたのか。女を連れて来るためには前もっての工作がなされなければイエス様の前に連れてくることは不可能です。女ったらしの男が金で雇われて利用されたのでしょうか。罪は両成敗のはずですけれども、男の方はどこへ行ってしまったのでしょう。
彼らはイエス様に質問しました。「先生、この女は姦淫の現場で捕まえられました。モーセは律法の中でこういう女は石で打ち殺せと命じましたが、あなたはどう思いますか。」
彼らがこのような質問をしたのは、イエス様を罠にかけて訴える口実を得るためでした。イエス様が「この女をモーセの律法に従って石打ちにしなさい」と言ったら、今までのイエス様のことばや教え、慈悲の行動に矛盾するものでした。イエス様に対する人々の人気は落ちるでしょう。反対に、「この女を赦せ」と言えば、モーセの律法に違反することですから、ユダヤの最高裁判所に訴える口実ができます。イエス様がどちらに答えても、モーセの律法にがんじがらめに縛られるようにと企てられたのです。
昔も今も、「目的のために手段を選ばない」という事柄がこの世で大手を振ってまかり通っていますね。また、人々は「法令順守」という名目のもとでがんじがらめになって苦しんでいるのではないでしょうか。法律や法令は良いものです。しかし、法律や法令は人のためであるのであって、法律や法令のために人があるのではありません。
( PBA制作「世の光」 2024.11.08放送でのお話しより )
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