2024/08/17放送
「世の光」の時間です。愛知県春日井市にあります春日井聖書教会協力牧師の水谷潔です。
「富は海水に似ている。飲めば飲むほど喉が渇く。」 これは19世紀のドイツの哲学者ショーペンハウエルのことばです。『幸福について』という題名の書物に書かれている名言です。この書物の中でショーペンハウエルは、人の財産についての満足は「分数」のようだと説明しています。どれだけ持っているかという所有が分子で、どれだけ欲しいかという要求が分母だと言うのです。
たとえば分母が100万円の人は100万円あれば大満足ですが、分母が1億円の人は100万円を持っていても何千万円も持っていても不満で、もっと欲しいと思うわけです。そして海の水を飲めば飲むほど喉が渇くように、持てば持つほどもっと欲しくなるのが富というものです。
分数の分子が増えると、一緒に分母も増えていきます。ですから、どんなに大金を手にしても満足できなくて、もっと欲しいと思います。多くを与えられても心満たされることがない、って何という不幸でしょう。人間の欲望には際限がないと言われますが、その通りでしょう。
持てば持つほど欲しくなってしまう私たちに対して聖書はこう語り掛けています。新約聖書のテモテへの手紙第一 6章6節をお読みます。
「しかし、満ち足りる心を伴う敬虔こそが、大きな利益を得る道です」
と。
「満ち足りる心を伴う敬虔」が本当の満足を私たちに与えます。神様を信じ、神様と共に歩み、聖書のことばに歩もうとする敬虔な生き方、それが私たちに「満ち足りる心」を与えます。敬虔な歩みは私たちを、小さなことにも感謝し与えられているもので心満たされるように造り変えてゆきます。分数で言えば、分子が増えても分母が大きくならず、心満たされて歩むことができる自分へと変えられていくのです。
多くを持ちながら心満たされることのない人生と、多くを持たなくても心満たされて歩む人生、どちらが幸せでしょうか?
新約聖書のテモテへの手紙第一 6章6節は言います。
「しかし、満ち足りる心を伴う敬虔こそが、大きな利益を得る道です」
ラジオの前のあなたも聖書の記す神様を信じて、満ち足りる心をもって毎日を送りませんか?
( PBA制作「世の光」 2024.8.17放送でのお話しより )
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