世の光の時間です。いかがお過ごしでしょうか? 福井 誠です。今日は聖書の中のルカの福音書から読んでみましょう。
「このころ、イエスは祈るために山に行き、神に祈りながら夜を明かされた。」新約聖書ルカの福音書6章12節。
宮本常一という民俗学者が『家郷の訓(おしえ)』という本を書いています。それは常一さんの故郷である山口県大島での明治末から大正にかけての暮らしを描いたものです。その中に、「母親の心」と題した一章がありますが、そこで常一さんは当時の母親たちにあった朝早い祈りの習慣を書いています。
毎朝3時半、二番鳥が啼く頃になると、どこからともなく宮参りの人の石段を昇り降りする下駄の音が鳴り出し、「おかか!」とか、「ようい、おばいさ」と声がかかり、連れ立って行くというのです。足音が浜へ降りると消えて、続いて柏手の音、そしてしばらくすると石段を昇る音がまた聞こえ始める。ある朝、常一さんは、一体母親たちが何を祈っているのかと、その群れに紛れてみたと言います。すると母親たちは、次々と子どもの名前を挙げて、「どうぞ健康であるように。息災なように。もし病気にでもなることがあったならどうぞこの私を代わらせていただきたい。たとえどのような苦しみを受けましょうともよろしゅうございます。」と祈っていたそうです。当時病気で療養中であった常一さんは、そのことばについ涙をこぼしてしまったそうです。そして言うのです。「親たちはかくまでその子を愛して、その子のいのちをいたわっているのである」と。
今の時代では考えられない習慣ではないでしょうか。しかし多くのキリスト教会ではイエスの祈りの姿勢に倣って、みなで集まりあって祈る習慣が今なお続いています。あなたも教会へ出掛けて愛をもってとりなし、心を注いで祈ってみませんか?
聖書のことば。
「イエスは祈るために山に行き、神に祈りながら夜を明かされた。」ルカの福音書6章12節。
(PBA制作「世の光」2006.11.09放送でのお話しより)
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