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福邦銀行が公的資金申請へ、経営状況悪化で業務円滑化

2009-02-01 15:06:01 | Weblog
福邦銀行が公的資金申請へ、経営状況悪化で業務円滑化 2009年2月1日 読売 
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090201-OYT1T00080.htm
 福井県を地盤とする第二地方銀行の福邦銀行(本店・福井市)が、公的資金で財務体質を強化する改正金融機能強化法の申請を検討していることが31日明らかになった。
 申請検討を表明したのは、札幌北洋ホールディングス(札幌市)、南日本銀行(鹿児島市)に次いで3行目。
 福邦銀の三田村俊文頭取は同日夜、読売新聞の取材に「検討の段階だが、中小企業を中心に経営状況が悪化しつつある。業務の円滑化を図ろうと思い、(公的資金を)活用しようと考えた」と述べた。
 預金保険機構が、福邦銀が発行する数十億円規模の優先株などを買い取り、公的資金を注入する見込み。福邦銀は、2月中に金融庁に正式申請し、3月中旬に優先株を発行するための定款変更を行うため、臨時株主総会を開く方向だ。
 福邦銀は、預金量4300億円、総資産4500億円(08年9月末)の第二地銀。銀行の健全性を示す指標である自己資本比率は6・60%(同)で、国内行に義務づけられている4%は上回っている。
 しかし、昨年9月以降、経営環境は厳しさを増している。08年9月連結中間決算の税引き後利益は6億5600万円の赤字で、09年3月期は5000万円の黒字に低迷する見込みのため、申請検討に入ったとみられる。

<参考記事> 福邦銀の9月中間、初の最終赤字 保有株や債券運用低迷 2008年11月19日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20081118c6b1802l18.html
 福邦銀行が18日発表した2008年9月期の連結決算は、最終損益が6億5600万円の赤字(前年同期は1億5400万円の黒字)になった。金融市場の混乱で保有株式や債券の運用収益が伸び悩んだほか、競争激化による貸出金利の低下で資金利益が減少した。中間期で最終赤字に転落するのは創業以来初めて。
 コア業務純益は46%減の6億8300万円と大幅に減少した。貸出金利利回りと有価証券利回りが減少する一方、預金等利回りが増加。総資金利ざやが前年同期比0.27ポイント低下の0.16%となった。
 同時に発表した2009年3月期の連結最終損益予想は5000万円の黒字(前期は62億円の赤字)になる見通し。従来は5億5000万円の黒字を見込んでいた。下期も投資信託販売などによる手数料収入や利ざや改善の見通しが不透明で、これまで18億円を見込んでいたコア業務純益予想が14億円にとどまることが要因。




 改正金融機能強化法施行後に公的資金の申請検討の表明を行なった銀行の第一号が、第二地銀の中では比較的財務内容が健全な札幌北洋ホールディングスだったことは少し意外でしたが、第二号は鹿児島の南日本銀行、そして第三号も福井の福邦銀行と、県のNO1地銀に圧倒されている第二地方銀行が申請するという、概ね金融庁の思惑通りになっているようですね…。(もっとも昨年5月の時点で274億円の赤字を出した北関東の某第二地銀がまだ申請しないなど、『本当の意味で真っ先に申請して欲しいところが介入強化を恐れ、申請してこない』という問題が残されていますが…)
 ちなみに、福邦銀行というのは、三田村一族によるオーナー経営が続いている昭和18年に設立された第二地方銀行ですが、2008年9月中間期の連結決算が、金融市場の混乱で保有株式や債券の運用収益が低迷したこともあり、最終損益が昨年同期の1億5400万円の黒字から6億5600万円の赤字に転落してしまいましたし、それでもこれまでは、戦後間もなく確立された1地方銀行&1相互銀行体制もあり、福井銀行との顧客の棲み分けも出来ていて、それなりに収益は安定的に確保できていたと思いますが、中間期としては初となる赤字計上を迫られたことや、福井銀行との体力差があまりにも大きく(預金残高や貸出金残高の格差だけ見ても4~5倍弱あります)自力で経営体力を回復させるには時間がかかりすぎることから、ついに公的資金を投入して早期に財務体質を改善させる決断をしたといったところでしょうか…。
 第二地方銀行については、つい先日も、香川銀行と徳島銀行の第二地銀同士が持株会社方式で行名は存続させながら経営統合することを発表しています(http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/economy/article.aspx?id=20090127000077)し、今後も経営基盤を強化していくために、県内NO2同士が一緒になったり、公的資金を投入する第二地方銀行が出てくるのではないかと思います。


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