地方有料道、6割が赤字 76%が需要予測以下 100円稼ぐのに経費が186円かかる道路も…。

地方有料道、6割が赤字 76%が需要予測下回る 2008年05月12日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0511/TKY200805110139.html
 全国の地方道路公社が運営する有料道路の約6割が、通行料収入では建設費を返済できない「赤字路線」となっていることがわかった。返済のために重ねた借金の処理で、最終的に多額の税金を投入することになる恐れが強い。ずさんな交通量予測に基づく道路整備が各地で続いている実態が浮かんだ。
 全国39の地方道路公社に、それぞれが運営する有料道路の06年度の実績を取材し、計125路線のデータをまとめた。
 有料道路は、道路特定財源などを原資とする国からの借入金や銀行からの借入金などでまかなった建設費を、完成後原則30年間の償還期間内に料金収入で返済し、以後は無料開放する仕組み。計画交通量を達成できず、想定した通行料収入が得られないと、新たに返済資金を借り入れる必要があり、雪だるま式に借金が膨らむことになる。
 各公社によると、06年度の交通量が計画に達しなかったのは125路線中95路線(76.0%)。うち23路線は経費節減で支出を抑えるなどして、建設費の償還計画を守ったが、72路線(57.6%)は、通行料収入では足りず、新たに銀行から借り入れたり、黒字路線による内部留保資金から充当したりして返済資金をまかなった。
 交通量の達成率の全路線平均は81.9%。50%に満たなかったのは28路線に及んだ。
 並行する県道の渋滞緩和効果を狙って整備した長良川右岸の場合、1日平均8071台の交通量を見込んだが実際には849台。
 借金返済が順調に進み、償還期間を終えた時点で予定通り無料開放できると各公社が見込んでいるのは55路線ある。しかし経済の好転や道路の知名度が上がることでの利用増を見込んだ回答もあり、期待通りの結果が得られるかは不透明だ。残る70路線は新たな税金の投入や料金徴収期間の延長といった方策が必要となる恐れが強い。
 これまでに無料開放された64路線の中でも、29路線は当初計画通りに借金を返すことができず、地元自治体が補助金や負担金などの形で肩代わりし、その総額は500億円を超える。借金が膨らむのを防ぐため、償還期間の途中で大規模な税金を投じ、借金を返済し無料開放した例も少なくない。
 こうした現状は、地元の大規模事業計画と関係していることが多い。計画に伴う交通の増加を見込んで建設されたが、事業が不振で利用低迷に直結しているという。福島空港のアクセス道に位置づけられた福島空港道路は、空港事業の赤字状態が慢性化。多摩ニュータウンの整備に伴う渋滞解消が目的だった東京都西部の稲城大橋有料道路も、ニュータウン事業の不振が響いている。
 各地の道路公社でつくる「全国地方道路公社連絡協議会」は、国土交通省や財務省に対し、道路特定財源制度の維持と新たな財政的支援制度の創設を求めている。(松川敦志)

100円稼ぐのに経費186円 借金膨らむ「赤字道路」 2008年05月12日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0512/TKY200805110165.html
 身近な地方有料道路の半数以上が「赤字路線」と化していた実態が、朝日新聞の調査で明らかになった。100円を稼ぐための経費が186円。そんな計算になる不採算道路もある。各地の現状は、「真に必要な道路」は造り続けるとする道路行政に、重い課題を突きつける。
 常磐自動車道から北関東自動車道に入り、東へ約24キロ進むと料金所があった。ここから先は、茨城県道路公社が運営する県道「常陸(ひたち)那珂(なか)有料道路」だ。普通車100円、トラックなど大型車なら150円。通行料は決して高くはないが、周囲の車は次々、料金所を通過せずに、左端に隣り合う出口へと向かった。
 「東日本の新しい国際流通拠点」をうたう常陸那珂港と北関東道を結ぶ自動車専用道路として県が計画。94年に有料道路としての事業認可を国から受け、99年に供用開始した。
 06年度の通行量を見てみると、1日平均9524台が利用する計画だったのが、実際には1割強にすぎない1325台。100円を稼ぐのに諸経費や人件費で186円かかった計算になるという。借金を返すどころか、毎年膨らんでいく状態だ。当初の借金32億5千万円は現在、38億2千万円になった。
 「ここを第2の横浜港にする」。有料道路終点近くの海べりで旅館を経営する黒沢一さん(77)は、地元市議だった父が40年ほど前に当時の茨城県知事から聞かされた言葉を覚えている。同公社の担当者によると、道路の利用低迷は常陸那珂港が未完成のままであることが大きな原因だという。
 同公社が管理する有料道路は7路線。計画交通量を達成できているのは1路線しかなく、常陸那珂を含む3路線は達成率が5割に達しない。
 03年以降、約30人いた職員のうち3分の1をリストラし、沿道の草刈りの回数を減らして経費削減に取り組んだ。しかし努力ももう限界。劇的に交通量が増えない限り、赤字路線は多額の借金を税金で処理せざるを得なくなる。公社担当者は「経済状況の変化などさまざまな原因が考えられるが、見通しが甘かったと言われればそれまで」と話す。
 交通量予測の甘さから返済計画が破綻(はたん)し、税金で借金を処理した例は各地にある。
 山梨県内の有名観光地、清里高原へのアクセス道として98年に開通した「清里高原有料道路」は、見込んだ交通量の3割程度しかない状況が続き、県が道路を買い上げる形を取って借金を処理。税金による出費は約50億円に上った。
 福井県の永平寺へのアクセス道として74年に開通した「永平寺有料道路」も、償還期間の終わった04年時点で18億円余りの借金が残り、県が税金で処理した。
 予測の甘さについて、ある公社担当者は「『期待値』的な側面があるのは事実」と話す。有料道路研究センターの織方弘道代表は「とにかく道路を造るという目的が先に立ち、つじつまの合う数字をはじき出しているケースが多いのだろう。巨額の赤字を生み続ける東京湾アクアラインや本四架橋と構図は同じだ」と指摘する。



 つい先日、道路特定財源を2008年度以降も10年間維持する道路整備事業財政特別措置法(改正道路整備費財源特例法)が成立しましたが、朝日新聞によれば、その道路特定財源で作った有料道路のうち、計画倒れの地方有料道路ワースト10は、
1位 長良川右岸有料道路 計画交通量8071台、実績交通量849台(達成率10.5%)
2位 常陸那珂有料道路 計画交通量9524台、実績交通量1325台(達成率13.9%)
3位 福島空港道路 計画交通量3766台、実績交通量673台(達成率17.9%)
4位 那須甲子有料道路 計画交通量243台、実績交通量50台(達成率20.6%)
5位 若草大橋有料道路 計画交通量3315台、実績交通量740台(達成率22.3%)
6位 浜名湖新橋 計画交通量3515台、実績交通量820台(達成率23.3%)
7位 日野水口有料道路 計画交通量5454台、実績交通量1466台(達成率26.9%)
8位 水海道有料道路 計画交通量8826台、実績交通量2773台(達成率31.4%)
9位 尾張パークウェイ 計画交通量13872台、実績交通量4397台(達成率31.7%)
10位 鬼怒川有料道路 計画交通量4730台、実績交通量1510台(達成率31.9%)
 と、いずれも実績交通量が計画の3分の1以下で、有料道路全体の6割が赤字、76%の道路は需要予測を下回るなど、有料道路を作るにあたって、需要予測がかなり甘く見積もられ、結果、赤字を垂れ流している有料道路も少なくないことがわかりました。

 それにしても、予定の1割しか車が通らない有料道路など、道路の建設費どころか、料金を徴収する徴収員の人件費だけでも赤字になりそうですが、果たして有料道路のまま維持するメリットってあるんでしょうかねぇ…(呆れ
 また100円稼ぐのに経費が186円かかる道路もあるようで、ここまで来ると、かってのJRの廃止予定路線か、第3セクター移行前の赤字路線並み。
 無料開放された64路線も、よくよく調べてみれば29路線は当初計画通りに借金を返すことができず、地元自治体が補助金や負担金などの形で肩代わりしたようですし、多額の建築費をかけて作ったあげく、赤字が膨らみ、自治体が税金を投入されるのでは、結局地元の後世の世代にツケを残すだけのことではないでしょうか。

 総理は『本当に必要な道路だけを…』という言葉を繰り返しましたが、一体『本当に必要な道路』の判定は誰が行うのでしょうか???
 地元が欲しいという道路を全て作っていては選別などできるはずがありませんし、なまじ豊富な予算があるから、景気対策を兼ねて採算のあわない有料道路を作ってしまう一面もあったはず。
 法案が成立してしまったのは致し方なかったとしても、せめて本当に必要な道路なのかを、利害関係が全くない第三者委員会がチェックをかけるなど、無駄遣いしない具体的な仕組みを取り入れるなどはして欲しかったと思います。
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コメント
 
 
 
道路は (爺さん)
2008-05-14 15:13:37
道路を必要とするのは、道路族議員と地方自治体の首長でしょう。
田中角栄並に公共工事の2%を分け合って懐に
入れるのだから。
自分の懐さえ潤えば国民の税金はどう使おうと選良の自由だろうってネ。
 
 
 
国も採算をとれるよう (パッチー)
2011-07-16 14:06:47
国は、なぜあえて不採算道路になるようなものを作るのだろうか…。
(自分の利益を守るため…じゃないかな?)

でも、その作った時の金は、税金だ。
脱税する人がいるのも、無理はないと思う。
払いたくなる税ではないからだ。
無駄づかいしかしないからだ。
 
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