まつかぜ日記

暮らしの中で思うこと

露草

2010年10月15日 | 心おぼえ
道端の小さな花。
露草は梅雨時から夏に咲く花とばかり思っていましたが
昨日、近所の垣根の足元に広がって咲いているのを見つけました。
またもや、今年の夏の暑さのせい?と思いケイタイで無理やり写真を撮りました。
(ひとさまのお庭の垣根を覗き込んでいるのですから、かなり怪しい格好です)

しかし家に帰って調べてみると、花の時期は「6月から10月」とありました。
露草の季節はとても長いのですね。

::::::::::::::::::::::

『ああ、露草が咲いている。 これは「つゆくさ」だよ。』と
この花の名前を私に教えてくれたのは祖母だったと記憶しています。
家の脇の木戸を出て、大通りとは反対の、お寺へ向かう道。
左側には数珠玉(ジュズダマ)が茂る空き地があり。
右側の道の端には、たくさん露草が咲いていました。

その日は、祖母に連れられて近所のお豆腐屋さんへ
昼食用の厚揚げを買いに行く途中だったのか。
あるいは、砂場やブランコのあるお寺へ私を遊ばせに行くときだったのか、
今となっては思い出せませんが
きものを着た祖母と“脇の道”をのんびり歩きながら
花の名前を教えてもらったように思います。

母は朝から家の“仕事場”に入って、忙しくしていましたので
幼い頃、昼の間はずっと祖母と過ごしていたのだと思います。
夏になると空き地の周りに並び咲いたホウセンカの実をはじいて遊ぶ事や
オシロイバナの硬い実を開けて「おしろい」を取り出し、鼻の頭にそっと塗ること。
もちろん数珠玉の黒くなった実を集めて首飾りやお手玉を作る。
そうした遊びの一番初めは、のんびり~とした祖母との散歩の時間にあったのでした。
今、その時の情景を思い浮かべると、なんだか照れくさくなるような
優しくて、甘い時間の流れを感じます。
全ては年のせいでしょうか。(笑)

露草の名前を教えられてからしばらく経って。
また、露草の咲き出す季節がやってきて
『つゆくさが咲いたね。。。この花は薬になるんだよ。』と祖母が言いました。
薬になる!・・・当時の私には、それは大そう重要な事に感じられ、
何の気なしに見ていた道端の小さな青い花が、
その時から私にとってはちょっと特別な尊い青い花になりました。

::::::::::::::::::::

露草の効能について調べてみると、
解熱、利尿、解毒…などいろいろあるようです。
また、青い花の汁は水に溶けやすい為、友禅などの染色図案の下絵に用いられたそうです。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おばあさま (珊瑚)
2010-10-15 20:43:03
学生の頃一度だけ、まつかぜさんのおばあ様とお会いしましたね。

一言、言葉を交わしましたよ。
何を話したかは、内緒です。

いつか、会ったときに思い出話しましょうね。

私も、小さい頃は祖母とよく一緒にいました。
祖母がお料理するのを横で見てたり、
少しお手伝いさせてもらったり・・・。
膝の上に座って、昔話を聴いたり、
仏壇の前で朝夕の御勤めをしたり・・・。

もっと色々話したかったなって思います。

返信する
珊瑚さん (まつかぜ)
2010-10-17 08:30:36
おはようございます。

>一言・・・ってなんでしょう?
むむむ、気になる~

幼い頃の断片を、ふっと思い出すとき
その欠片が伴ってくる感覚は、苦いものだたり、ほんのり甘かったり。
案外予測できないものだなぁ、なんて思います。
珊瑚さんのおばあさまは、その年代の方にしては大きなおばあさま、でしたよね。
お会いした事は無いのに、私の中でははっきりした面影を思い出すことが出来るような気がしています・笑
返信する

コメントを投稿