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アスカの不可解な殴る理由を問われて、シンジは「僕が何も決めなかったから」だと即答しています。「自分で責任負いたくなかったから」だとも。そしてそれが正解であるとアスカは認めています。
使徒に乗っ取られた3号機に対峙したシンジは戦闘を躊躇し、結果として初号機のコントロールはダミー・システムに切り替えられてしまいます。
ですが仮にもしシンジがふつうに戦闘に及んだ場合はどうだったでしょう。
想定される結果としては、①3号機を倒しアスカを救出する、②3号機を倒すがアスカは犠牲になる、③3号機に敗れる、といったところでしょうか。
この①もしくは②が「助けることも、殺すことも」に相当するのだと思われます。しかしこれはシンジが自分の意志で選択できる事柄なのでしょうか。
無理でしょう。正直、出たトコ勝負なはずです。シンジは「何も決めなかった」と言っていますが、何か勘違いしているのではないでしょうか。
さらにおかしなことがあります。シンジが「自分で責任負いたくなかったから」だと懺悔している点です。
「何も決めなかった」というそもそも架空の選択について、その責任を負わされることをシンジは恐れた。なぜそのような過剰反応に陥ったのでしょう。それは続く第10の使徒戦における行動の結果責任を負わされ、さんざんな目にあったからだと思います。
けれども、そもそも一戦闘員の行動の結果がどうあろうと、すべての責任をその戦闘員個人に負わせるべきなのでしょうか。
いいえ、違います。もしそうならその戦闘員は責任を追求されるリスクを恐れて積極的な行動ができません。ひょっとして軍事行動の結果兵士が民法で裁かれるかもしれないという我が国の現状を風刺しているのかも知れませんが、そこは定かではありません。
それでは戦闘員の行動の結果責任は誰が負うべきでしょうか。
もちろん司令官です。
第10の使徒戦でミサトは「行きなさいシンジくん」と叫んでいます。これが命令なのかどうかは微妙ですけれども。
そして覚醒状態に陥った初号機を見て、ゲンドウと冬月は「しめしめ」的な会話を交わしています。
その結果としてニア・サード・インパクトなる状況が発生しましたが、その責任を彼らは負ったでしょうか。
負いませんでした。彼らは冬眠状態に陥ったシンジに濡れ衣を着せて、その後ひたすら内輪もめをしていたわけです。


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